日本企業でも仕事への熱意を失い、最低限の業務しか行わない「静かな退職」状態の人が増えています。民間企業による20〜59歳の男女を対象にした調査によると、2024年12月時点で該当者は2.8%となり、前年1月より0.4ポイント増加したそうです。
「静かな退職」40〜44歳が最多5.6% 全社員の2倍にhttps://t.co/cPIPgBWrw4
— 日本経済新聞 電子版(日経電子版) (@nikkei) March 20, 2025
「静かな退職」とは「誰にも相談せずにひっそりと会社を辞めていく」ということではなく、新型コロナ禍で広がった「Quiet Quitting」の日本語訳で、退職はしないものの仕事への意欲を失って与えられた以上の業務をしない状態を指します。この調査では、40〜44歳が5.6%で最多となり、特に35歳以上での増加が目立ったそうです。

Yuto photographer/iStock
静かな退職の例としては「定時退社」「業務外の協力を断る」「最低限のコミュニケーション」「意見や提案を控える」「自己啓発をしない」などが挙げられます。
40歳部長が絶句…やる気も人望もあった32歳プロジェクトリーダーが「静かな退職」を選んだワケ https://t.co/JzM0hKbXop #現代ビジネス
— 現代ビジネス (@gendai_biz) February 25, 2025
「静かな退職」というワーディングに共感の声が多く聞かれます。
「静かな退職」
以前ならこんな働き方ってどうなのよって思っていたけど、今なら解るわ。
必要以上に頑張っても、あまりメリットが感じられないんよね。https://t.co/qFb3qAYbUk pic.twitter.com/fj1LuI2ROY— ノリきなコペン (@999Ein) March 20, 2025
企業にとっては負担となる一方、本人たちにはその自覚が乏しいようです。約4割が収入やスキルの向上を見込めないと感じるものの、解雇や孤立を不安視する人は少なく、3割は特に不安を抱いていません。
最低限しか働かない「静かな退職者」が負の連鎖を招く
#職場/オフィス #生産性 #退職 #マネジメント/マネージャー/管理職 https://t.co/DU0NOlEDub— Forbes JAPAN (@forbesjapan) March 9, 2025
これからは「定着率」は追う必要はない。「活躍する人数」こそが大事。「静かな退職」・「ぶら下がり」の人がいくら”定着”したところで意味はない。会社が目指す、未来・ビジョンに向けて、どれだけ”活躍”できる人を作っていけるか。この1点にかかっている。本気の人がいさえすれば仕事は十分に回る。
— 西重剛史|しあわせな働き方|社労士| (@takeshi_rwld) March 11, 2025
マイナビの調査では、2023年の時点ですでに約半数が「静かな退職をしている」と感じ、56.9%が「できることなら働きたくない」と回答していました。
【調査】約2人に1人が「”静かな退職”をしている」と感じているhttps://t.co/P9Srhpc7OL
正社員3000人に働く上での本音を聞いたところ、全体の56.9%が「できることなら働きたくない」と感じていることが分かった。さらに、48.2%が「静かな退職をしている」と感じていることも明らかに。 pic.twitter.com/oRC5TK4Wje
— ライブドアニュース (@livedoornews) February 25, 2024
必要な人材が不足している日本において、企業が優秀な人材を終身雇用で囲い込むことは適切ではありません。もし、その人材の能力を生かせる案件がなければ、「静かな退職」となってしまいます。そのため、必要とする案件がある企業へ転職し、案件が終了すれば再び転職をするという形で働いてもらうほうが望ましいと考えられます。
技術者不足の日本において、企業が優秀な人材を終身雇用で囲い込むのは愚の骨頂。能力を生かす案件がないのなら飼い殺し。能力を必要とする案件がある企業に転職し、その案件が終われば、また転職し…と転職を繰り返してもらったほうがよい。極端に不足する人材は産業全体でシェアリングするしかない。 https://t.co/mHNo3bKBSR
— 木村岳史(東葛人)×極言暴論 (@toukatsujin) January 30, 2020
ミドル・シニア世代は飼い殺し老人になることを選んだようです。
我々の未来は漂流老人になるか飼い殺し老人になるか、それとも自分の飯は自分で稼ぐ肉食系老人になれるかの三
択 だな。— jo shigeyuki (@joshigeyuki) January 21, 2013
好むと好まざるとにかかわらず、ジョブ型雇用ではこの働き方がスタンダードになるという指摘も。
「最低限の仕事しかせず、熱意を失った」状態が「静かな退職」と表現されているけど、これからみんな目指すとされるジョブ型は「最低限の仕事しかせず、熱意を失った」働き方なので「静かな退職」に等しいんだけどその辺認識できてるんですかね? https://t.co/668Jxm8r6a pic.twitter.com/kLbr81SRoy
— Shen (@shenmacro) March 20, 2025
「働かないおじさん」最強説もありますが、その人数が一定数を超えるとどうなるのでしょうか。
侍留啓介『働かないおじさんは資本主義を生き延びる術を知っている』はタイトルが気になった本だが、その真意は、普通の人の最適解は会社にしがみつきハイスキルより昭和的いい人、上司のご機嫌取りをする太鼓持ちになれというもの。このショボさが個人的体験論ではあるが資本主義の力を逆説的に語る。
— 唐沢暁久 (@KarasawaAkihisa) March 9, 2025
『働かないおじさんは資本主義を生き延びる術を知っている』侍留 啓介