カンボジアを拠点の1つとする生活も悪くはない

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日本人のリタイア後の居住地として、一時期マレーシアやタイがブームになったことがありました。

しかし、これらの国々は経済成長とともに物価水準が上昇し、日本人が年金だけで生活するのはコスト的に合わなくなってきています。

その代替として、これからカンボジアに住むのは悪くない選択肢です。

カンボジアが良いと思う理由はいくつかあります。

まず、物価です。カンボジアの物価は円安になってもなお日本よりは割安です。ローカルなお店や屋台に行けば、100円から200円くらいでも食事ができます。買い物もローカルマーケットで何でも安く購入することが可能です(写真)。

そして通貨は米ドルが流通しています。カンボジアの銀行のドル預金で運用しながら生活費の足しにすることも可能です。

カンボジア料理も日本人の舌には比較的よく合います。日本人が経営する日本食レストランもあって、日本と同じとはいきませんが食には困りません。

カフェも街中に溢れていて、スターバックスはもちろんブラウンカフェなどの地元のカフェもなかなか素敵です。

移動にはGRABというアプリを使えば、日本よりはるかに安く移動できます。行き先もアプリで指定できるので、クメール語が話せなくても問題ありません。

住居は中心部の中古コンドミニアム物件が50平米で2,000万円程度で購入できます。購入しなくても東京より安い家賃で短期賃貸もできます。

気候は温暖ですし、意外なことに真夏の東京よりも涼しかったりします。街の治安も悪くなく、日本の病院もプノンペンに進出し、安全面の心配も解消されました。

観光ビザは期間1ヵ月ですが、1度近隣国に出国すれば再入国可能です。カンボジアの会社に雇ってもらい、1年のワーキングビザを取っても良いでしょう。

魅力的な国ですが、カンボジアに完全移住するのはちょっと退屈そうで、私には無理です。

でも完全移住ではなく、例えば日本が寒い季節やスギ花粉症のピークの時期だけカンボジアにやって来て、滞在するのは悪くはありません。

国内外に複数拠点を持って、自由に移動する。そんなライフスタイルなら、プノンペンはその候補地の1つに入ると思っています。


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2025年3月21日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。