参政党の躍進が「ナチスの初期に似ている」という声が多い。
参政党を支持した若い世代はナチスの怖さを知らない。 どのようにして台頭したのかも。
まともなドイツ人は馬鹿にしていた。 知らぬ間に政権につき 、好き放題やり、気がついたらがんじがらめにされ、戦場に送られた。
残念ながら若い世代はNHKを見ない。YouTubeに置いても長いので見ない。… https://t.co/N0y09sQ4dg— 有馬哲夫 (@TetsuoArima) July 21, 2025
財政政策については「政府は紙幣を印刷できるから財政支出は無限にできる」という参政党の主張はナチスと同じである。
「日本人ファースト」というスローガンも「世界に冠たるドイツ」というナチスと同じだ。日本人はユダヤ国際金融資本に搾取されているというユダヤ陰謀論もヒトラーとまったく同じである。
参政党は国債バブルを崩壊させる
日本政府は(統合政府で)約700兆円の債務超過だが、今は政府の信用(将来の徴税権)が担保になって債務を維持している。これが国債バブルである。もし「神谷首相」になると市場が察知すると国債が売られ、バブルが崩壊する。
日銀が利上げしても効果がない。政府の信用が失われると、トルコのように政策金利が50%になってもインフレは止まらない。最後は物価統制令で抑え込むしかない(MMTもそれを推奨している)。
だがお金が世の中にあふれる一方で、物価を抑制すると物不足が発生する。人々は価値のなくなった紙幣を金などの実物資産に換え、資本が海外逃避する(これもトルコで起こっている)。それを防ぐには、全面的な統制経済にするしかない。

そこで神谷首相がヒトラーのように全権委任法を制定して超法規的な権限を掌握し、国債を大量発行して公共事業や給付金を支給し、預金封鎖して資本逃避を防ぐ。このような世界最初のケインズ政策で景気はよくなり、失業はほぼゼロになった。

これが参政党の描くバラ色の未来だろう。リフレ派の原田泰氏も同じことを言って批判を浴びた。ヒトラーのやった総需要拡大の最大の梃子は戦時経済だったのだ。失業した若者を徴兵して戦場へ送り込んだら、失業がなくなるのは当たり前だ。
ナチスも最初は参政党のようにバカにされていた
ワイマール憲法でできたドイツ共和国の政権の多数派は社会民主党だったが、暴力革命の方針をとる共産党の勢力が強く、左右対立が激しかったため、15年間に首相が13人も交代する混乱が続いた。
ナチス(国家社会主義ドイツ労働者党)はならず者の集団で、初期には暴動を起こしてヒトラーも逮捕された。参政党と同じくバカにされて連立は組めなかったので、1933年に議会で第一党になっても、過半数に達せず政権は取れなかった。
保守派が連立に失敗し、ヒンデンブルク大統領は暫定的な首相としてヒトラーを指名した。ヒトラーが指名されたのは、ヒンデンブルクが「このバカならあやつれる」と考えたからだ。あとは歴史の示す通りである。
神谷氏がヒトラーと似ているのは、無学だが演説がうまいことだ。参政党も無知なプータローの集団でナチスと似ている。石破政権がグダグダで、民衆が既存政党に絶望しているのも1930年代のドイツと似ている。
今のところ参政党は衆議院では3議席しかないので、自民党の連立の対象にはならないが、参議院ではすでに野党第三党である。次の総選挙で躍進すれば、自民党と連立を組む可能性もある。バカにしていると、ヒトラーのように政権を乗っ取ってしまうかもしれない。
*これは2025年3月25日の記事の「れいわ新選組」を「参政党」に置き換えたものです。






