
4月最初の日曜日、下関に来ました。
下関といえば、関門海峡、そしてふぐ。

なんですが、実は下関の市域はとっても広く関門海峡だけでなく日本海側にも広がります。もともとは関門海峡や瀬戸内側のみの市域だったのですが、2005年に菊川、豊田、豊浦、豊北の各町と合併して現在の市域となりました。

赤い点線の枠内が下関市。
この日、わたしの本当の目的は瀬戸内側、下関市の中心部にある火の山公園で撮影を行うことだったのですが、火の山公園がリニューアル工事中で閉鎖されてしまっていました。
せっかく来たのにこのまま福岡に帰るわけにはいかない、と思い車を北に向かわせ、日本海側までドライブすることにしたのです。そこにはずっと前から行ってみたかった絶景があったので、逆にこれはチャンスと思ったのです。

その絶景とは角島(つのじま)大橋。2000年に開通した、本土と日本海に浮かぶ小さな島、角島を結ぶ橋です。場所によって微妙に色合いを変えるマリンブルーの美しい海の中、カーブを描いて架かる橋の姿が人々の心を鷲掴みにし、たちまち有名な観光地となりました。

カーブを描いて走るのは自然景観保護の観点から左手の無人島、鳩島を通過するのを避けて橋を通すことにしたため。この取り組みが評価されて土木学会デザイン賞の優秀賞を受賞しています。

道の両側の海が本当に美しくて、沖縄に来たんじゃないかと錯覚してしまいそうになりますが、山口県です。

ちょうど船が航行していました。
角島側にも駐車スペースがあり、こちらからも写真が撮れました。カーブの途中、「へ」の字になっている部分は船の通り道。ここを航行する船の邪魔にならないように工夫されています。

角島大橋を渡って角島に渡ります。西の奥に建つ角島灯台まで車を走らせました。道路も綺麗に整備されていて快適なドライブコース。観光に訪れる人も多くいました。
角島灯台は明治9年に建てられた日本海側初の洋式灯台。ここは本州の北西端の角にあたり交通上非常に重要な場所と考えられてきました。石造りで日本に2基しかない無塗装の灯台です。

灯台の北は外海。角島大橋周辺の海の青とは対照的に濃い青がそこに広がります。鳶が優雅に空を舞っていました。

海の傍に野積みの石垣に囲まれた小さな神社、夢崎明神がありました。鳥居は海に向かって建っていて、かつて海で仕事をしていた海女や海人たちがその安全を祈願して建てたとされています。この石垣は日々の仕事が無事済むと了の終わりに感謝の意を表して積んだものといわれています。

早朝に福岡を出て150キロ走って来たので、11時前ですがお腹がすきました。軽く食事をすることにします。やってきたのは定食などを提供する「おおはま」さん。周囲には海鮮丼を提供するおしゃれな店もあるのですが、こちらは庶民派のお店です。

うどんセット(700円)をいただきました。おにぎりがわかめごはんだったのですが、これが磯の風味がして絶品。食からも島に来たんだという気分を味合わせてもらいました。

ずっと来てみたかった角島。写真で見るのと寸分違わない絶景がそこにあり、長年夢見ていた景色に巡り合えた日曜日でした。
みなさんも下関まで来た際にはぜひ北の方にも足を延ばしていただき、角島大橋&角島を訪ねてこの素晴らしい景色を生で見ていただきたいなと思いました。
編集部より:この記事はトラベルライターのミヤコカエデ氏のnote 2025年4月8日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はミヤコカエデ氏のnoteをご覧ください。






