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あまたある本のなかには、残念ながら、ありきたりのエッセイを寄せ集めた本、テーマがはっきりせずに軸が定まっていない本が少なからず存在します。
こういう本は読んでも印象に残りません。記憶に定着することもありません。記憶に定着しませんから、アウトプットすることもできないでしょう。あなたの大切な時間をムダにしないためにも、読書する前の段階で、どの本を読むか、選ぶ必要があります。
どの本を読むか選ぶ方法はいくつかありますが、書店さんに行って、実際に手に取ることをおすすめします。書店員さんに聞くのもいいでしょう。本当に本が好きで、そのジャンルに精通している書店員さんが見つかれば、あなたの強い味方になります。
なかには、識者よりも専門性が高い書店員さんがいる場合もあります。書店さんの売り場には世相が反映されています。売り場を見てまわるだけでも有益なインプットになります。
本をたくさん読むことで、インプット量は圧倒的に増えます。それと同時に、意識的にアウトプットすることをおすすめします。
読んだ本をアウトプットできるようになることで、あなたは、飛躍的な自己成長を実感できるようになるはずです。本を読み、さまざまな情報をインプットするだけでも、楽しいですし、成長を実感することはできます。
しかし、インプットばかりで、アウトプットが増えていかないと、現実的な変化は起こりにくいかもしれません。本を100冊読んだとしても、まったくアウトプットしなければ、現実の世界はなかなか変わっていかないでしょう。
アウトプットとは、「情報発信」であり、「行動」です。前提は「読書を楽しむ」ことですが、それと同時に、あなたが少しでも「成長」するために、本を読んだあとは、アウトプットすることをおすすめします。
質の高い読書体験のためには、書店での本選びがとても重要です。じっくりと時間をかけて立ち読みし、表紙だけでなく、目次や前書き、あとがきなどを読むことで、その本の本質がつかめます。書店の各コーナーを見て回ることで、さまざまなジャンルの傾向も掴むことができるでしょう。
また、本を読んだあとのアウトプット方法もさまざまあります。SNSで短い感想を書くのもいいですし、読書ノートをつけるのもおすすめです。友人や家族に本の内容を説明してみるのも効果的です。自分の言葉で要約することで、理解が深まりますし、相手の反応から新たな気づきも得られるでしょう。
読書は単なる知識の蓄積ではなく、行動につなげてこそ価値があります。一冊の良書との出会いが、あなたの考え方や生き方を変えるきっかけになるかもしれません。
そのためにも、「この本から何を学び、どう活かすか」を常に意識して読むことが大切です。質の高い本を選び、深く理解し、そこから得た知識をアウトプットすることで、あなたの成長は確実に加速するでしょう。
尾藤 克之(コラムニスト・著述家)
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2年振りに22冊目の本を出版しました。
「読書を自分の武器にする技術」(WAVE出版)