ドル円が下落して140円台に:トランプ発言が米国のトリプル安を招く?

4月21日の東京外国為替市場では、アメリカのトランプ大統領が関税交渉において「為替」を非関税障壁の一つとして問題視する発言を行ったことなどを受けて、市場では日本に対しドル高是正を求めてくるとの観測が広がりました。その結果、円高・ドル安が進行し、円相場は約7か月ぶりに1ドル=140円台まで上昇しました。

この円高の動きはその後も続き、午後5時の時点で円相場は1ドル=140円55~57銭と、前週末より1円84銭の円高となりました。一方で、ユーロに対しては円安が進み、1ユーロ=162円41~45銭でした。円高ではなくドル安の流れが継続しています。

また、市場ではトランプ大統領がFRB(米連邦準備制度理事会)のパウエル議長を任期途中で解任する可能性が報じられたことも影響しています。これにより米金融政策の先行きに不透明感が生じ、ドルを売る動きが強まっています。

ドルは他の主要通貨に対しても下落しており、ドル指数は3年ぶりの安値水準となっています。こうした状況を背景に、円高圧力が高まっています。トランプ政権による関税政策が米国景気に悪影響を及ぼすのではないかとの懸念も、市場の不安要因となっています。

さらに、加藤財務大臣とベッセント米財務長官が24日に会談を予定しており、円安是正が交渉の焦点となる可能性が高いとの見方も市場に影響を与えています。市場では、円高が先行して進んだことで、会談における米側の為替是正要求が弱まる可能性も指摘されています。

ドル円相場は140円を下回る可能性が意識されており、今後の下落リスクへの警戒感が強まっています。現在はドル全面安の流れとなっており、円高傾向が続くと見られていますが、トランプ大統領の利下げ要求発言が、市場に混乱をもたらし、結果的に金利上昇やドル安・株安・債券安の「トリプル安」を招く恐れもあります。