4月21日の東京外国為替市場では、アメリカのトランプ大統領が関税交渉において「為替」を非関税障壁の一つとして問題視する発言を行ったことなどを受けて、市場では日本に対しドル高是正を求めてくるとの観測が広がりました。その結果、円高・ドル安が進行し、円相場は約7か月ぶりに1ドル=140円台まで上昇しました。
【1ドル=140円】
↘ドル円が下落して141円割れ10時52分 140.999円【円高へ】 pic.twitter.com/Y4ARgZgFER
— 相場変動お知らせ (@GOLD_OIL) April 21, 2025
この円高の動きはその後も続き、午後5時の時点で円相場は1ドル=140円55~57銭と、前週末より1円84銭の円高となりました。一方で、ユーロに対しては円安が進み、1ユーロ=162円41~45銭でした。円高ではなくドル安の流れが継続しています。
ドル指数⤵️2022年以来の安値「円高というよりも『ドル安』」木を見て森を見ず
ドル円だけ見ていたのでは気がつかない⚠️
ドルインデックス 週足
2022年以来の安値
↓
ドル円はドル安主導の下落 140円台にドル円 140円を下回ってもおかしくはない⚠️
ドル指数が反発しないとドル円の戻りは鈍い… pic.twitter.com/7ievh2vUrb— にこそく (@nicosokufx) April 21, 2025
また、市場ではトランプ大統領がFRB(米連邦準備制度理事会)のパウエル議長を任期途中で解任する可能性が報じられたことも影響しています。これにより米金融政策の先行きに不透明感が生じ、ドルを売る動きが強まっています。
トランプ氏は、パウエルFRB議長が辞任を拒否しているとの報道に対し「自分が望めばすぐにでも辞めさせることができる」と強く反発。議長への不満をあらわにし、解任の意向を問われると「次の質問だ」とかわしたが、事実上の更迭示唆とも取れる発言だ。pic.twitter.com/FXnNdVn4Lf
— 朝倉智也(Tomoya Asakura) (@tomoyaasakura) April 19, 2025
ドル/ユーロもほぼ同じなので、円高というよりドル全面安。ここ1年をみると140円が折り返し点のようだが、2023年初めに130円をつけた。パウエルが解任されると、130円ぐらいまで行くんじゃないか。 https://t.co/V2zjyWc8hh pic.twitter.com/KIZmHTZlYx
— 池田信夫 (@ikedanob) April 21, 2025
ドルは他の主要通貨に対しても下落しており、ドル指数は3年ぶりの安値水準となっています。こうした状況を背景に、円高圧力が高まっています。トランプ政権による関税政策が米国景気に悪影響を及ぼすのではないかとの懸念も、市場の不安要因となっています。
4月に入り、ドル指数は僅か数週間で5%超の急落となり、週明けもドル安の流れが継続。米10年債は売られて利回りが上昇する一方、金は再び史上最高値を更新している。市場では、ドルへの信認が徐々に揺らぎ始めているとの見方も出始めており、世界の金融秩序に波紋を広げていく可能性も否定できない。 pic.twitter.com/rEdtkSLLOA
— 朝倉智也(Tomoya Asakura) (@tomoyaasakura) April 21, 2025
さらに、加藤財務大臣とベッセント米財務長官が24日に会談を予定しており、円安是正が交渉の焦点となる可能性が高いとの見方も市場に影響を与えています。市場では、円高が先行して進んだことで、会談における米側の為替是正要求が弱まる可能性も指摘されています。
日米財務相会談を前に円高が進めば進むほど、米側としては会談で円安修正を言う必要性が低下する逆説的な側面もありうる点には要注意です。全般的なドル相場や米債相場が不安定ならなおさらです ーー 円、一時140円台に上昇 日米交渉前に年初来高値更新 – 日本経済新聞 https://t.co/ZJAKblVhaj pic.twitter.com/X12EL9Lifk
— 清水功哉(日本経済新聞) (@IsayaShimizu) April 21, 2025
市場が勝手にドル安(円高)に持っていく分には政府・日銀はほくそ笑んでいればいいのでしょう。トランプさまさまです。
— 本石町日記 (@hongokucho) April 21, 2025
ドル円相場は140円を下回る可能性が意識されており、今後の下落リスクへの警戒感が強まっています。現在はドル全面安の流れとなっており、円高傾向が続くと見られていますが、トランプ大統領の利下げ要求発言が、市場に混乱をもたらし、結果的に金利上昇やドル安・株安・債券安の「トリプル安」を招く恐れもあります。
「米大統領がFRBの独立性を傷つける可能性が、米国資産に対する国内外の投資家からの信認を損なう懸念を高めている」。金利を下げようとするトランプの発言が、金利高騰のみならず米国のトリプル安を招く。
米国「トリプル安」再び 株急落、揺らぐFRB独立性:日本経済新聞https://t.co/7XUQ6KtXoU
— ギムノカリキウム (@gymnocalycium42) April 21, 2025