プライオリティパスの無料特典を使い倒した後に感じた「虚無感」

ロサンゼルスに出かける際に利用した航空会社はZipairでした。JAL系のLCCで成田空港からの発着です。

ビジネスクラスのようなフルフラットの座席を利用しましたが、機内にモニターはなく、食事やドリンクのサービスも全てオプションになっている合理的な航空会社です。

空港には大手航空会社のようなラウンジサービスもなく、今回はクレジットカードに付随しているプライオリティーパスを使うことにしました。

これは特定のクレジットカードに加入すると付随サービスとして送られてくる空港での特典が利用できるカードです。

いくつかのクレジットカードの中からセゾンアメックス・ビジネスプラチナカードに付いてきたものを使いました。

利用可能施設を調べてみると成田空港第1ターミナルでは、肉料理やきすき やんまというお店ですき焼きとプリンのセット(写真)が無料で食べられるとの事でした。通常価格は3400円です。

どうしてもすき焼きが食べたいわけではありませんしプリンも好きではありませんが、無料につられてお店に行ってプライオリティーパスを見せると、確かに無料で豪華な定食を食べることができました。価格に見合ったボリュームとクオリティです。

さらに、食べ終わって空港のセキュリティーチェックを終えてから、今度は希和 -NOA-という別のラウンジも利用してみました。

こちらもプライオリティーパスで2時間無料です。食事やドリンクもフリーです。ただし、お酒やお食事のクオリティは少し残念なレベルでした。

大手航空会社のラウンジに行かなくても、クレジットカードの特典を上手に活用すれば、それなりに満足できることがわかりました。

しかし、これらの施設を利用できるのは航空会社のラウンジのようにビジネスクラス客やステータスを持っている人だけではありません。お金を払えば誰でも利用できます。

そのせいかサービスを利用していても、周りがざわざわしているようで少し落ち着きません。また、利用者が特定されていない分、荷物の盗難リスクも高いような気がしました。

今回はプライオリティーパスの無料サービスを使い倒して満足した気分でいましたが、終わってみると何だか虚しい気分だけが残りました。

数千円の節約をするために無料のサービスばかり探し歩いて利用する自分のセコさに対する嫌悪感のせいかもしれません。

やはり成田空港発のLCCはあまりテンションが上がらず、海外旅行にはあまり使いたいと思いませんでした。

murat4art/iStock


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2025年9月18日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。