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本日紹介する一冊は「なんで学校は変なの? 教員の父に教育実習生の娘がストレートな質問!」。元教員の鋭い視点がなかなか興味深い。その一部を紹介する。
深夜、Xのタイムラインに流れてきた投稿。ある地方の中学校で、女子生徒の下着の色を教師がチェックしているという告発だった。
は? 令和の時代に?
リプ欄を見ると、「うちの学校も同じ」「母親の時代からずっとそう」という声がゾロゾロ。いや、おかしいだろ。完全におかしい。なんで誰も止めないんだ。
そもそも、下着の色を規定する意味が分からない。白または肌色——その根拠は何だ。透けないため? だったら制服のデザインを変えればいい。「風紀が乱れる」?
下着の色で風紀が決まるなら、大人の社会はとっくに崩壊してる。
で、思い出した。自分が中学生の頃も同じだった。体育の着替えの時、担任の女性教師が見回りに来る。「ちゃんと白?」って。今考えれば異常だ。プライバシーもクソもない。
あ、でも当時は「そういうもんだ」と思ってた。疑問すら持たなかった。それが怖い。洗脳、とまでは言わないけど、刷り込みだよな、これ。
話を戻すと、校則の本質的な問題はここにある。「なぜそのルールが存在するのか」を誰も説明できない。いや、説明する気がない。「決まりだから」「昔からそう」——思考停止の極みだ。
教育現場の人間に聞いてみたい。本気でこのルールが必要だと思ってるのか。それとも、「変えるのが面倒だから」放置してるだけなのか。
ぶっちゃけ、後者だろう。校則を見直すには、職員会議で議論して、保護者に説明して、生徒にも意見を聞いて——手間がかかる。だったら現状維持。楽だもんな。
でも、そのツケを払うのは生徒だ。理不尽なルールに従わされ、疑問を持つことすら許されず、「我慢すること」を学ばされる。これが教育か?
いや、違うだろう。教育ってのは、考える力を育てることだ。ルールを盲目的に守る人間を量産することじゃない。
Xの投稿は、結局数万リツイートされて、ニュースにもなった。学校側は「見直しを検討する」とコメント。「検討」——またそれか。検討して、結局何も変わらないパターンだ。知ってる。
正直、疲れた。こういう話を聞くたびに、日本の教育現場の硬直化に絶望する。でも、諦めたら終わりなんだろうな。誰かが声を上げ続けないと。
それが親なのか、教師なのか、生徒本人なのか——分からない。でも、変化は必ず来る。来なきゃおかしい。
というか、もう令和だぞ。いい加減、目を覚ませ。
尾藤 克之(コラムニスト、著述家)
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22冊目の本を出版しました。
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