年末が近づいてくると、毎年恒例のドリームジャンボ宝くじのコマーシャルが目に付くようになります(写真)。

テレビコマーシャルや車内の中吊り広告を見ると、今田美桜さん、妻夫木聡さん、吉岡里帆さん、成田凌さん、矢本悠馬さんという豪華なメンバーが「ジャンボきょうだい」としてPRに登場。膨大な広告宣伝費用がかかっていることがわかります。
私はこの宝くじに対して以前から極めて否定的です。ちょうど10年前にもこんな記事を書きました。
そもそも宝くじの期待値は45%ですから、確率的には全く割に合わない「ぼったくり商品」です。半分以上が差し引かれたものをみんなで再配分しているだけです。
金融商品の手数料が、もし宝くじと同じように55%だったら誰も買わないはずです。
それを数寄屋橋などの人気の売り場では寒い中行列してまで手に入れようしている。私には全く理解できません。
さらに不思議なのは宝くじはここまで広く一般に親しまれているのに、同じギャンブルのカジノに関しては生理的嫌悪感を示す人が多いことです。
宝くじもカジノも集めたお金からテラ銭を差し引いて残りを参加者に分配するという基本的な仕組みは同じです。
カジノではバカラやブラックジャックなどがプレイされますが、これらのゲームの期待値は99%程度と言われています。スロットマシンでも90%以上の期待値があります。還元率を見るとカジノは宝くじよりも圧倒的に良心的なゲームといえます。
カジノは短期間に多額のお金が動くことが問題と言うのであれば、カジノの掛け金の金額に上限を設ければ良いだけの話です。
宝くじもカジノも最終的に儲かるのは胴元だけというのは同じですが、私には宝くじの方が善良な人たちからぼったくりをしている分だけ悪質に見えてしまいます。
宝くじは「貧乏人の税金」とも言われています。お金に対する錯覚を利用して、必ずしも豊かではない人たちから有名タレントを使ってお金を巻き上げる仕組みは早くやめたほうが良いと思います。
そして宝くじを買おうと思っている人には、そのお金で資産運用を始めることを強くおススメします。

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編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2025年11月25日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。






