日テレの大間原発「誤報道」はオールドメディアの自滅行為

8日夜、青森県東方沖で発生したマグニチュード7.5の強い地震で災害対応が続く最中、日本テレビが「大間原発は現在稼働停止などしていない」と「誤報」を流したことで、報道の信頼性そのものが改めて問われる事態となっている。

  • 8日午後11時15分頃、青森県東方沖でM7.5の地震が発生し、青森県では震度6強を記録。自治体によると30人以上が負傷した。
  • 地震発生直後、日テレは「青森県の大間原子力発電所は現在稼働停止などはしていない」と速報テロップで報じた。
  • しかし大間原発はJ-POWERが2008年に着工した建設中の原子力発電所であり、工事進捗率は37.6%。そもそも稼働しておらず、「稼働停止していない」という表現は事実と異なっていた。
  • 日テレは9日未明、公式アカウントを通じて「被害は確認されていないとすべき誤った表現だった」と謝罪し、訂正を発表した。
  • これに対し「建設中の原発を稼働中と誤認するのはチェック体制の崩壊ではないか」「災害時に流す情報としてはあまりに致命的」と強い批判が噴出。
  • 誤報を「単に表現の問題」と片付けようとする姿勢にも疑問の声が相次いでいる。
  • 存在しないリスクを煽る形になっており、日テレの報道体制は災害時報道の基本である正確性を欠いた。
  • 建設中の原発を稼働中と誤認するようなチェック体制で、SNS批判やフェイクニュース批判を語る資格があるのかという根本的な問題提起も出ている。
  • 大間原発を建設する電源開発(Jパワー)は、2025年9月にこれまで目標としてきた2030年度の運転開始について「全力は尽くすが、達成は厳しい」との認識を示した。原子力規制員会の新規制基準の適合審査が長引き、工事開始はこれまでに6度延期されている。

今回の誤報は、単なるミスを超えて、報道機関が災害時に担うべき責任と信頼性の根幹を揺るがした。オールドメディア批判が強まる中で、正確な情報を自らの手で損なった影響は小さくない。SNSだけでなく既存メディアがフェイクニュースを流したという現実を直視し、徹底した検証と透明性あるチェック体制の再構築が求められる。

大間原子力発電所 Wikipediaより