防衛財源「最後のピース」所得増税、自民「異論なし」も割れる維新与党の足並みそろうか

自民党が防衛力強化の財源として想定してきた所得税の増税について、令和9年1月に実施する方向で検討していることが分かった。現行の所得税額に1%を付加し、2000億円強を確保する。背景には、安全保障環境が険しくなる中、結論をこれ以上先延ばしにできないとの危機感がある。ただ、連立政権を組む日本維新の会の内部は意見が割れており、与党間での協議の行方が注目される。
自民の小野寺五典税制調査会長は同日、党本部での会合後に報道陣に対し、所得税増税について出席者から「異論は出なかった」と強調した。
防衛増税を巡り、政府・与党は5年度税制改正大綱に所得、法人、たばこの3税で9年度に1兆円強の防衛財源を確保すると明記。法人税とたばこ税は8年4月からの増税が決まったが、所得税だけは決まらず「最後のピース」となっていた。
そもそも論でいえば、防衛費増GDP比2パーセントなんて安倍晋三の思い付きでしかなかった。別に日本の安全保障環境が劇的に変化したわけでもない。
しかも安倍晋三は初めに数字ありきで、使い道は金額増やして考えればいい、金がないなら国債すればいいといっていた。
つまり何の根拠もない。アベノミクスが失敗したからしっぽを巻いて逃げ出して、政権の戻るために「強い指導者」を演出するためぶち上げただけでしょう。
つまりは国防のためではなく、単なる自分の権力欲のため。
岸田政権は良心があったので、税収の裏づけは必要と条件闘争した。2パーセント拒否は党内最大派閥だった安倍派を刺激したくなかったから妥協の産物だった。
で、当面財源として5千億円の建設国債を流用、防衛装備などはダムや空港とおなじだからというイカれた主張。
所得税増やせば景気は更に落ち込むでしょう。ただでさえ社会保障費の負担が重い。個人の負担が増えて景気が良く成る道理はない。法人税を挙げれば企業の投資は海外に向くでしょう。これまた景気が心配になる要素です。
増税するよりもまずは「ふるさと脱税」ことふるさと納税をやめるべきです。これで建設国債負担分の税収は確保できる。だが菅が怖くていいだせない。政府が高額所得者と寄生虫企業のために脱税を推進しておいて、戦闘機買うから増税だと説得できるのか。

ふるさと納税創設を主導した菅義偉元首相 自民党HPより
そもそも80兆円の税収で115兆円の予算+補正が約20兆円で、-45兆円の借金こさえて、わずかな増税しても焼け石に水。その増税で経費が冷えれば更なるマイナスになって、法人税も減る。
まずは80兆円の税収で国を回して、借金の返済を行っていく道筋をつけるべき。
「無責任な積極財政」を続ければ金利は上がるし円安になる。景気がよくなるはずがない。
それをやればやるだけ、防衛装備や燃料が高騰して軍拡の効果は薄くなる。
そもそも「世界の片隅の貧乏が咲き誇る日本」で身の丈を超えた軍拡は無理。
むしろ社会保障費用の現役の負担を減らして、消費税を20パーセントまで引き上げるべき。
軍拡ではなく、少子高齢化に合わせて自衛隊を縮小し、浮いたカネで隊員の待遇を改善し、装備の近代化、兵站の強化を行うべき。体力がない持久走では途中でへたばるのは必至です。
■本日の市ヶ谷の噂■
先日報じたJ3高威弾調達中止だが、実は20式の機関部破損は従来から使用している普通弾でも起こる。調達中止の原因はボディアーマーに対する貫徹力不足も原因、との噂。
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いずも級、22DDHは駆逐艦に非ず。 (清谷防衛経済研究所) – 清谷信一
暴力装置 (清谷防衛経済研究所) – 清谷信一
東洋経済オンラインに寄稿しました。
拡大する防衛費を防衛省・自衛隊が適切に使えていない可能性。陸上自衛隊による、銃の調達や取り扱いから垣間見える「知識不足」の疑い
https://toyokeizai.net/articles/-/911653
ソニーグループが「隠れた防衛関連企業」といわれる理由、実は同社製のある汎用品がミサイルやドローンなどに欠かせないパーツになっていた
https://toyokeizai.net/articles/-/907817
過去の著作の電子版が発売になりました。
『ル・オタク フランスおたく物語』
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『弱者のための喧嘩術』
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編集部より:この記事は、軍事ジャーナリスト、清谷信一氏のブログ 2025年12月15日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、清谷信一公式ブログ「清谷防衛経済研究所」をご覧ください。








