化粧品大手の資生堂が発表した希望退職の募集結果は、同社の経営立て直しが想定以上に厳しい局面にあることを浮き彫りにした。過去最大となる最終赤字見通しの下で実施された人員削減は、組織の先行きや経営戦略そのものへの不信を映し出している。
- 資生堂は2026年1月6日、国内従業員を対象とした希望退職で257人が退職すると発表した。
- 募集時点の想定は200人前後で、実際の退職者数はこれを上回った。
- 対象は40歳以上かつ勤続1年以上の社員で、退職日は2026年3月31日となっている。
- 通常の退職金に加え、年齢や勤続年数に応じた特別加算金を支給し、再就職支援も行う
- 関連費用として約30億円を計上する。
- 同社は2025年12月期の連結最終損益が520億円の赤字になる見通しを公表していた。
- 黒字予想から一転した下方修正で、赤字額は過去最大となる見込み。
- 主因は、買収した米国ブランドの不振による減損損失で、M&A戦略の誤算が続いている。
- 資生堂は2024年に国内で約1500人、2025年には米国子会社で約300人の人員削減を行ってきた。
- 業績悪化をインバウンド消費減速など外部要因に求める声もあるが、同業の花王やコーセーは黒字を維持している。
- 中国市場への依存や拙速なグローバル展開、買収頼みの成長戦略が赤字の本質的な原因との見方が強い。
- 希望退職では将来を悲観した人材から流出しやすく、組織力の低下を招く懸念も指摘されている。
今回の希望退職は、単なる人員調整にとどまらず、資生堂が進めてきた成長戦略そのものの総点検を迫る出来事といえる。低価格帯からの撤退、パーソナルケア事業の売却、相次ぐ大型買収と減損という迷走のツケが一気に噴き出した形であり、経営の立て直しには戦略の根本的な見直しが不可欠となっている。

資生堂 公式HPより






