出版コンテストの光と影:夢を叶えるために知っておくべきこと

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きずな出版の出版コンテスト2026が開催される。前稿では今年のコンテストの概要と進化について述べた。

出版は変わるのか? きずな出版コンテストが投じる小さな改革
きずな出版が昨年に引き続き、2回目となる出版コンテストを開催する。 昨年グランプリを受賞したシムラアキコさんは、先月『自己肯定感は「着物」で上がる!』を無事に上梓し、出版コンテストが「夢で終わらない」ことを証明してみせた。 ...

本稿では、出版コンテストを取り巻く環境と、応募を検討している方へのアドバイスをお伝えしたい。

出版コンテストの闇

近年、出版コンテストの数は増加している。しかし、そのすべてが健全とは言い難い。

著者や出版コンサルタントが主催するコンテストでは、主催者と編集者が結託しているケースが少なくない。編集者がゲストとして参加し、興味のある企画に札を上げる形式を取るが、参加者全員に札が上がったとしても、編集者に本気で検討する気持ちがなければ、出版に結びつくことはない。

さらに深刻なのが出版コンテスト詐欺である。受賞者の企画がある程度進んだ段階で、「世界的な資材高騰の影響で、この企画を本にするには○○万円の費用がかかります」と連絡が入る。出版を希望する人々の「夢を食べる仕組み」が横行しているのである。

このような背景があるからこそ、出版社が主催し、出版を確約するコンテストの価値は高い。きずな出版のコンテストは、グランプリ受賞者が実際に出版を実現している。「夢で終わらない」コンテストであることが証明されているのだ。

出版社にとっての覚悟

忘れてはならないのは、出版コンテストが出版社にとって相当な負荷になるという事実である。

現在、一冊の本を出版するには約300万円のコストがかかると言われている。定価1500円の本であれば、2000部を売り切らないと赤字になる。受賞者を増やせば、それだけ出版社の持ち出しコストは増える。編集者のリソースも限られている中で、複数の新人著者を同時にサポートすることは容易ではない。

昨年のきずな出版のコンテストでは、最優秀賞2名に出版確約のプラチナ切符が手渡されただけでなく、優秀賞3名、ベストオーディエンス賞10名、エール賞12名が発表され、それぞれに担当者がアテンドされた。受賞者が増えるということは、出版社が腹を括ったということである。

応募料は1作品10,000円。決して安くはないが、応募者全員に「出版企画書の書き方セミナー」動画と「きずな祭り2026」の録画視聴権が提供される。仮に受賞に至らなくても、学びの機会は得られる。

ただし、応募にあたっては冷静な自己分析が必要である。昨年のコンテストでも、明らかに重要な要素が欠けている企画が散見された。提出前に専門家に相談していれば避けられた事態も多かったはずだ。

今年のテーマは「新時代の生き方」

今年のテーマは「新時代の生き方」。審査観点として挙げられているのは、企画の独自性・新規性、新時代を生きる視点があるか、読者に届く言葉か、一冊の書籍としての可能性、著者としての継続性・表現力である。

自分の企画がこれらの観点を満たしているか、厳しく自問してほしい。出版を実現するためには、努力と情熱だけでなく、冷静な判断も求められるのだ。

厳しいことを書いてきたが、だからといって挑戦を諦める必要はない。

出版コンテストは、出版を希望する人々にとって大きなチャンスである。特にきずな出版のコンテストは、今年から「note」での応募も可能になり、企画書の書き方に不慣れな人でも挑戦しやすくなった。出版経験の有無も問わない。門戸は広く開かれている。

心をつなぎ、未来をつなぐ力を持つ企画が生まれれば、それは投資以上の価値を持つ。今回のコンテストから、読者に感動や気づきを与える一冊が誕生することを願ってやまない。

受賞者の皆さんには心からの祝福を、そして今後も夢を追い続けるすべての方々にエールを送る。新しい絆が生まれる瞬間を楽しみにしつつ、未来の出版業界の発展を期待したい。

尾藤克之(コラムニスト、著述家、作家)

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きずなの出版コンテスト運営事務局([email protected]