与野党が消費減税を公約する減税ポピュリズムを見ると、近衛文麿の時代を思い出す。あのときも与野党は大政翼賛会に合流し、全会一致で日米開戦を決めたのだった。勝算がないことは軍部も知っていたが、デモクラシーで選ばれた政治家が一致して求めるのだから、やる理由をさがすしかない。
日米開戦を実行したのは東條英機だが、彼はその立場からして他の選択肢がなかったのだから、そこまで事態を行き詰まらせた近衛の責任は東條より重い。彼が首相になった1937年には政党政治は崩壊し、近衛は「総動員体制」のヒーローとして国民の人気は高かった。政権基盤のない彼には、ポピュリズムしか武器はなかったのだ。
参謀本部は不拡大方針だったが、近衛は「爾後国民政府を対手とせず」という近衛声明を出し、これによって日中戦争は収拾できなくなった。さらに対英米戦争に拡大しようとする勢力とそれを避けようとする勢力が閣内で対立し、第1次近衛内閣は倒れた。
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