政府が小中高校の授業でデジタル教科書を正式な教科書として位置づける法改正を進める方針を示し、教育政策として大きな転換点となりつつある。理解促進や多様な学習支援を掲げる政府に対し、学力低下や健康面への懸念を指摘する声も強く、社会的議論が広がっている。
【参照リンク】デジタル教科書、2030年度に解禁へ 政府が特別国会に法案提出 日本経済新聞
- 政府は特別国会に学校教育法改正案を提出し、動画や音声を含むデジタル教科書を正式教科書として認める方針を固めた。2027年4月施行を目指し、2030年度ごろまでに本格普及させる想定で、児童生徒への無償提供を検討している。
- 従来のデジタル教材は補助教材扱いだったが、改正後は紙の教科書と同等の法的位置づけとなる。自治体や学校が紙とデジタルを組み合わせるハイブリッド運用も可能にする方向で調整している。
- 文部科学省はメリットとして、音声読み上げや拡大表示などによる発達障害や弱視児童への支援、動画による理解促進、荷物軽減、個別最適化学習の実現などを挙げている。
- 一方、国内ではGIGAスクール構想で配布された端末の使用実態にばらつきがあり、集中力低下や成績悪化を訴える保護者や教員の声が報じられている。長時間の画面使用による視力や健康への影響を懸念する意見もある。
- 海外では教育のデジタル化を進めた北欧諸国で紙教材を重視する動きが出ているとされ、読解力低下との関連を議論する報道も増えている。政府は「単純比較はできない」とし、日本では紙と併用する前提だと説明している。
【参照リンク】IT先進国スウェーデンがタブレット教育から「紙の教科書」へ回帰 アゴラ

IT先進国スウェーデンがタブレット教育から「紙の教科書」へ回帰
スウェーデンが進めてきたデジタル教育政策が大きく転換した。IT先進国として「1人1台端末」を早期に実現した同国が、紙の教科書中心へと舵を切ったことは、教育分野におけるデジタル化の是非を問い直す象徴的な出来事として世界的に注目されている。単な...
- 教育現場からは、学習履歴の蓄積や遠隔教育への対応を評価する声がある一方、端末更新費や通信環境整備など新たな財政負担を指摘する意見も出ている。
- 政府は段階的導入と検証を行い、学力や健康への影響を継続的に調査するとしている。
教科書のデジタル化は世界的潮流であったが、現在ではその効果や副作用については各国で結論が分かれている。日本でも利便性と学習の質をどう両立させるかが焦点となり、制度導入後も検証と見直しが続く政策になる可能性も高い。

b-bee/iStock







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