中国企業との仕事で感じる「日本人との違い」

黒坂岳央です。

筆者の場合、英語学習系のYouTubeチャンネルをやっていたり、法人でやっている仕事で中国企業から「自社商品を動画で紹介してほしい」といった仕事が来ることがある。

中国企業とビジネスをすると、日本企業との感覚の違いに驚かされることが多い。

もちろん、中国人と一口に言っても様々な人がいる。相手が国営系か民間か、上場企業かスタートアップか、あるいは外資系文化が入っているかで全くと行っていいほど大きな差はある。だが、一定の「傾向」は確実に存在すると感じる。

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スピード感が異常に速い

まず最大の違いはスピードである。

仕事のオファーが来て「仕事を受けてもらえますか?」と聞かれる。詳細を見て良さそうだと感じてOKを返すと次のメールでいきなり仕事が始まる。商品レビュー依頼なら、2通目で発送が完了し、時には「振込口座かPaypalのアカウントを教えて」と来る。

日本企業の場合はこうはならない。契約書、注文書、支払い条件の確認があり、場合によっては契約書の文言修正を繰り返してからのスタートだ。窓口担当者だけでは終わらず、先方の法務部のリーガルチェックや経理部も絡んでくる。

筆者は出版社、テレビ局、雑誌社、その他様々な会社とやり取りをするが、仕事を開始する前の工程が多いことに慣れきっていたので、中国人との差には驚かされた。

中国企業のやり方は悪く言えば雑である。しかし、良く言えば非常に楽ともいえる。

交渉が直球

スピード感と同じ文脈で、交渉も直球である。

最初の段階で価格の話が出る。「いくらでできる?」「高いので消費税分は下げてくれ」といった会話が、最短距離で進む。

日本企業では、価格交渉はもう少し後ろに回されやすい。まずは「関係構築」「丁寧な確認」「稟議の通しやすさ」が優先され、価格は最後に調整されることが多いと感じる。過去には仕事を納品した後の最後に支払われる価格が分かることもあった。

だが中国側は違う。ストレートに価格からすぐ話が入り、遠回しな探り合いは一切少ない。そして決まったらあっという間に仕事が進む。

春節は突然音信不通になる

日本人が最初に戸惑うのが春節である。

「春節は中国人の長期休み」くらいのぼんやりした知識はあったが、「本気度」は日本人の想像の上を行くと思っておくべきだ。

彼らは春節の時期になると、それまでスピーディーにやり取りをしていても、いきなりスイッチを切ったようにレスポンスがゼロになる。「春節だからしばらく連絡できない」といった事前告知もないし、不在時の自動返信もない。

日本企業であれば、長期休暇の前に「休業期間のお知らせ」が来る。担当者も「何日から不在となります」と連絡する。しかし中国側はそのあたりが一切ない。

昨日まですぐ返事が来ていたのに急に音信不通になるので、最初は不安になった。だが今は慣れた。返事がなくないなと思ってカレンダーを見て「あ、春節か」と解釈するようになった。

メールが短い

中国企業のメールは短い。最初のオファーには資料が添付され、ある程度まとまった文章が来る。しかし2通目以降はまるでチャットのような短さになる。挨拶も前置きもない。要件のみが一文で来る。そして返信の速度も早い。まるでチャットをしている感覚になることもある。

これは失礼というより、効率優先の結果である。日本企業のように「いつもお世話になっております」から始まり、「何卒よろしくお願いいたします」という文化とは違う。形式より速度優先だ。

細かいことを言わない

記事や動画を納品すると、日本企業なら「ここはこうしてほしい」「表現をもう少し変えて」など注文が入ることが普通だ。

しかし中国側は、納品後は何も言わずにいきなり入金されることがある。納品物に対する細かいフィードバックなどもほぼなく、OKなら即支払いという動きになりやすい。

そしてこちらが契約前に「AではなくBにしてもらえないか?」と交渉を入れると、結果は極端だ。即採用されて仕事が進むか、あるいはそこで返事がなくなるかのどちらかである。曖昧な保留が少ない。わかりやすくも、冷たさを感じることもある。

トラブルは「お金で解決」

中国企業の合理性が最も表れるのが、トラブル対応である。

筆者はビジネス取引で返金トラブルに遭ったことはないが、消費者として中国企業の商品をAmazonで買い、不具合を問い合わせた際にこれを感じた。

不具合について問い合わせると、詳細な原因調査が始まるのではなく、「購入時の登録住所に新品を送りました。既存のものは破棄してください」で終わるのである。

原因調査はないのか?手元の商品は返却しなくていいのか?こうした疑問が湧いてくるが、良くも悪くもそれでトラブルは解決されるので不満はない。

これが米国や欧州、日本企業ならこうはならない。不具合の詳細をやり取りし、写真で状況を伝え、預かり修理になり、最後に交換、というプロセスになる。

先日、スウェーデン企業から購入した機器に不具合が起きた時は預かり修理に漕ぎ着くまで1ヶ月かかった。確かに丁寧ではあるが、悪く言うと時間がかかるのは面倒に感じる。少額なら「問い合わせより買い直そう」と思ってしまう。

買い物に限って言えば、中国企業の方が圧倒的に楽である。「原因究明より、お金で時間を買う」という判断が、極端な形で現れている。

中国企業と仕事をすると、最初は戸惑う。随所に雑さを感じるからだ。日本企業の「丁寧で確実」な文化と比べるとこの差に驚く。だが、慣れると逆に細かいやり取りを何度もせず、あっという間に1つ1つの仕事が終わるので楽でもあると感じるようになる。

もちろん、とにかく褒めちぎるつもりはなく、もしもトラブルが起きたら契約書もないので大変そうである。どの国の文化圏も一長一短あるのだ。

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なめてくるバカを黙らせる技術」(著:黒坂岳央)

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働き方・キャリア・AI時代の生き方を語る著者・解説者
著書4冊/英語系YouTuber登録者5万人。TBS『THE TIME』など各種メディアで、働き方・キャリア戦略・英語学習・AI時代の社会変化を分かりやすく解説。

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