「武器輸出をしないのが平和国家」という反知性主義

政府は現在の武器輸出に関する規制を緩めようとしています。

19日の自民党安全保障調査会の幹部会合で、2月下旬にもまとまる党提言の素案として、武器輸出を制限する防衛装備移転三原則の運用指針を見直し、武器輸出の大幅拡大を認める方針が了承された。党提言は今国会中に予定されている政府の正式な指針見直しに反映される。1967年の武器輸出三原則以来、平和国家として独自の厳しい制約を課してきた日本の武器輸出政策は大きな転機を迎えることになる。

平和国家、緩む武器輸出政策 「同志国と連携」殺傷能力ありも可能 自民素案、国会関与の「歯止め策」なし:朝日新聞
19日の自民党安全保障調査会の幹部会合で、2月下旬にもまとまる党提言の素案として、武器輸出を制限する防衛装備移転三原則の運用指針を見直し、武器輸出の大幅拡大を認める方針が了承された。党提言は今国会中…

5類型の制限を失えば、武器が戦闘に使われるリスクが高まる。「死の商人」のイメージがつきまとうようでは、平和主義の理念が損なわれる。

社説:防衛装備の輸出拡大 なし崩しの運用許されぬ | 毎日新聞
ひとたび歯止めがなくなれば、武器輸出がなし崩しに拡大しかねない。平和国家としてのありようが問われる問題だ。  高市早苗政権は、防衛装備移転三原則の運用指針を見直す検討を始めた。焦点は、輸出を認める分野を「救難・輸送・警戒・監視・掃海」の5類...

政府、与党が検討する武器輸出の拡大に反対する。日本で製造された殺傷兵器が、国際紛争で使われる恐れが一層強まる。平和国家としての一線を越えてはならない。

【社説】武器輸出の拡大 平和主義の理念に反する
政府、与党が検討する武器輸出の拡大に反対する。日本で製造された殺傷兵器が、国際紛争で使われる恐れが一層強まる。平和国家としての一線を越...|西日本新聞meは、九州のニュースを中心に最新情報を伝えるニュースサイトです。九州・福岡の社会、政治...

ざっくり言えば、武器、特に殺傷兵器を輸出すると平和国家ではなくなる、というのが「平和国家主義者」の主張です。これが拝み屋ならまだしも新聞や地底水準が高いとされている「識者」と呼ばれる人達が主張している。

率直に申し上げて、君ら頭がおかしいのか?と問いたくなります。

ロジックで考えることができなく、ふんわりした「おきもち」で政治や国際問題を語ろうとする。たとえるならば入試で数式を説くところを、ポエム書いちゃうようなものです。

vadimrysev/iStock

まずは「平和国家」の定義を定めろ。

武器、特に殺傷兵器を輸出しない=現在の日本=平和国家なのか?

であれば以下の質問にどう答えるのか。

1)武器を輸出しなければ買うのはいいのか?
武器を買うことはこの人たちのいう「死の商人」を儲けさせることになるのだが、これはいいのか。まる売春はNGだが買春は合法というようなもので論理に整合性がない。

2)屑のような国産兵器を高値で買って税金を無駄に使うのが平和なのか?
我が国は戦争もしていないし、国際市場で兵器を売ることもないので競争に晒されていない。このため他国の兵器に比べて低性能、低品質、旧式化した兵器が極めて多い。しかもそれは国際価格に数倍から一桁高い。有事に役に立たない屑を買って税金をドブに捨てるのが平和主義なのか。

3)そもそも自衛隊など自衛手段を放棄したいのか?

4)武器輸出をするのは「悪い国」なのか?
一般的にスイス、スウェーデンその他北欧諸国などは「平和主義者」にとってもいイメージがあるかと思いますが、これらはすべて兵器輸出国です。
「平和主義者」をこれらの国々を「死の商人国家」とののしるのでしょうか?寡聞にしてそのようなことは聞いたことがありません。因みにこれらの国々は国際的な平和構築に大きな貢献をしています。

5)紛争当時国に武器輸出はダメなのか?
具体的な例を挙げれば、ロシアのウクライナ侵攻で攻められたウクライナに支援をするのは非人道的なのか?ウクライナが中国に武器技術を供与して、国家としてはゴロツキが国民を搾取抑圧している屑国家です。とりあえず、それは置いておいても侵略された国を支援することはいけないのか、であればそれは武力侵略を肯定することになるのではないか?

6)非殺傷兵器でなければ輸出していいのか?
殺傷兵器を輸出すると「平和国家」じゃなくなるとの主張ですが、であれば非殺傷兵器、ぼくのよく言う「火の出る玩具」以外ならば輸出しても大丈夫なのか?
例えば大型の戦略輸送機や早期警戒機、電子戦機などは非武装です。これはいいのか?
米国が地球の裏側に戦車を含めた大戦力を迅速に展開できるのは大型の戦略輸送機を多数保有しているからです。
いくら地上部隊があっても輸送手段がなければ戦場に送れません。
また電子戦機や早期警戒機がなければ現代の空戦では戦えません。

前の戦争では米国はソ連に戦車や装甲車ではなく、軍用トラックを供与しました。これが戦いの趨勢に大きな影響を与えました。

いくら戦車た大砲があっても、トラックがなければ前線に弾薬や食料、燃料、兵員を送ることはできません。

戦争は火の出る玩具だけで戦っているという人は軍事的教養以前の常識が欠如しています。

「平和国家論者」は少しでも上記のようなことを考えたことがあるのか?

「聖教新聞」ならまだしも社説や記事でこういうお気持ちで現実の政治を語るのは反知性主義です。そういう新聞が記者クラブと称して役所の取材機会を独占しているのは大変問題です。平和憲法と念仏唱えたり千羽鶴折って平和にならならぜひ実践して欲しいものです。可能であると証明されればノーベル賞ものでしょう。

吉永小百合さんの主張が正しいのであればウクライナ戦争の最前線で「平和憲法」を朗読すればたちどころに戦争が終わるんじゃないでしょうか。なぜやらないのでしょう。

できないことをできると強弁するのは世間では普通嘘つきと呼ばれます。

■本日の市ヶ谷の噂■
今は沖縄県立八重山病院の救急科部長をしている元陸自医官の竹島茂人は、学会で気に入らない発表があると講演者をフロアから怒鳴りつけるが、本人の発表は酷くてお子様レベルで聞いていられたものではなく界隈では「竹島問題」と揶揄されてきた。
日本災害医学会での竹島自身のダメージコントロール手術の発表では本来は50km後方と自衛隊事業計画に明記されている野外手術システムがあるとしていたが、本来は50km後方と自衛隊事業計画に明記されているのに前線から300mくらいに設定。陸上自衛隊は何百台も野外手術システムがあるいったが実際は師・旅団に1台ずつ、全国で保有20台 稼働15台くらい。そもそも外科医がいないという現実を無視。めちゃくちゃな発表を制服を着てするので、聞いていた元自衛官は「この発表で傷ついた私たちの心のダメージをコントロールしてほしい」と嘆いた。この恥ずべき内容は演題抄録に1ページも使って、制服姿の顔写真入りで教育講演として記されている、との噂。

大人の事情で商業媒体に掲載されなかった記事を、Noteで有料公開します。

馬鹿が戦艦でやってくる!

Kindleで有料記事の公開を始めました。

いずも級、22DDHは駆逐艦に非ず。 (清谷防衛経済研究所) – 清谷信一
暴力装置 (清谷防衛経済研究所) – 清谷信一

東洋経済オンラインに寄稿しました。

拡大する防衛費を防衛省・自衛隊が適切に使えていない可能性。陸上自衛隊による、銃の調達や取り扱いから垣間見える「知識不足」の疑い
https://toyokeizai.net/articles/-/911653
ソニーグループが「隠れた防衛関連企業」といわれる理由、実は同社製のある汎用品がミサイルやドローンなどに欠かせないパーツになっていた
https://toyokeizai.net/articles/-/907817

過去の著作の電子版が発売になりました。
『ル・オタク フランスおたく物語』
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『弱者のための喧嘩術』
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防衛破綻 – 清谷 信一


専守防衛 – 清谷 信一


編集部より:この記事は、軍事ジャーナリスト、清谷信一氏のブログ 2026年2月20日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、清谷信一公式ブログ「清谷防衛経済研究所」をご覧ください。

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