キューバの医療団輸出は重要な外貨収入源
社会主義国家キューバは、他国に依存(寄生)して存続することを長年のポリシーとしてきた。最初はソ連に頼り、ソ連が崩壊するとベネズエラが新たなパトロンとなった。しかし、そのパトロンの経済もついに破綻した今、キューバのカストロ体制も終末を迎えつつある。
そのような状況下にあって、これまでキューバの外貨獲得源のおよそ半分を担ってきたのが、医療団の海外派遣である。これにより、年間50億ドル余りの外貨を稼ぎ出していた。
1960年代から始まったこのビジネスに拍車がかかったのは、当時経済成長下にあったベネズエラやブラジルへ大量の医療団を派遣したためである。最盛期には、60カ国近くに2万4000人余りの医療関係者を派遣していた。
しかし、派遣される医師の待遇は過酷なものであった。受け入れ国がキューバ政府に支払う報酬額のうち、医師本人に支払われるのはわずか25%に過ぎず、残りの75%はキューバ政府の収入となっているのだ。それでも、国内で働くよりは高収入を得られるため、多くの医師が海外への派遣を望んだ。一方で、派遣を拒否した医師は政府から冷遇(差別)される運命にある。
米国の制裁を恐れて医療団の受け入れを拒否する国が続出
ところが、米トランプ政権がカストロ体制の崩壊に向けて圧力を強めたのを機に、医療団を受け入れていた国々の中に契約を打ち切る動きが現れてきた。医療団の受け入れを継続すれば、米国からの制裁対象となる可能性が浮上したためである。
契約を打ち切った国には、カリブ海の島国であるセントビンセント・グレナディーンやアンティグア・バーブーダをはじめ、ガイアナ、グアテマラ、パラグアイなどが挙げられる。例えばガイアナでは、キューバから脱出した医師が政府を介さず個人として働くようになっている。そうなれば、キューバ政府による報酬の搾取から逃れることもできるのだ。
人道支援の裏で搾取を行い、外貨を稼いできたカストロ体制の崩壊は、こうした側面からも始まっている。







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