仙台市の太陽光発電義務化に反対する記者会見をしました

仙台市は太陽光発電の建築物への義務化を進めている。東京都、川崎市に続くものだ。制度名称は「新築建築物への太陽光発電導入・高断熱化促進制度」である。

環境審議会の答申に基づき、仙台市は来年4月の義務化導入に向け、今年6月の定例市議会に条例案の提出を目指している。

この義務化に異議を唱える記者会見を、伊藤優太仙台市議会議員のリーダーシップのもと、レテプ・アフメット日本ウイグル協会会長と共に、2月26日に仙台市で実施したので、以下に報告しよう。

「中国による人権侵害を後押しするのか」仙台市の太陽光義務化でウイグル出身者が声明

「中国による人権侵害を後押しするのか」仙台市の太陽光義務化でウイグル出身者が声明
仙台市が来年4月の導入を目指し、新築一戸建てを対象に太陽光パネルの設置を義務化する条例改正案を巡り、日本ウイグル協会会長のレテプ・アフメットさんが26日、同市…

なお、私事で恐縮だが、私の先祖の一人は伊達藩出身であり、仙台市で起きることは決して他人事ではない。

記者会見の模様
左から、レテプ・アフメット日本ウイグル協会会長、筆者、伊藤優太仙台市議会議員。

アフメット氏からは、ウイグルにおける強制労働の実態と、それが太陽光発電設備の製造に密接にかかわっていることについて、複数の証拠が提出され政治的な判断がなされていることが説明された。

さらに、日本の太陽光パネル輸入の8割は中国からのものであり、迂回輸出を含めるとこれを上回ること、更には、米国では輸入禁止措置がとられており、欧州も同様な動きを見せているのに対し、日本は対応がおくれ、人権侵害の疑いのある太陽光パネル輸出の「抜け道になっている」との説明がなされた。

筆者からは、添付資料に基づき、3点にわたって説明をした。

まず第一に、ウイグルにおける人権侵害の問題である。今、世界の太陽光パネルの9割は中国製で、うち半分は新疆ウイグル自治区での製造工程に関係していると推計されている。すると日本で今輸入されている太陽光パネルのうち、かなりの割合がウイグルでの人権侵害に関わっている疑いがある。これまで日本政府は事実上対策を何もしてこなかったが、仙台市はこれを禁止すべきである

東日本大震災のとき、仙台市は世界中から支援の手を差し伸べてもらった。今度はウイグルでの人権侵害に対して、世界と共に、手を差し伸べるべきではなかろうか。

第二に経済性の問題である。前述の仙台市の資料では、13年で太陽光パネル導入の初期費用の回収ができるとするが、これは条件の良い場合だけである。条件の悪い日照の悪い家、屋根の小さい家などでは、初期費用が回収されることはなく、負担が増えるだけである。

そして、家の初期費用は確実に高くなる。その分、新築の家への入居が遅れ、古い住宅に住み続けることは、震災に対して脆弱な家に住み続けることを意味しないか。

それに、建築主は元が取れると言っても、その理由は、再エネ全量買い取り制度などの国の手厚い支援制度があるからであり、その原資を負担する国民の電気代は確実に高くなる。実際に、ドイツやデンマークなど、太陽光発電や風力発電を大量導入した国では、電気料金が大変に高くなっている。日本も再エネ賦課金はすでに年間3兆円にも上っている。

なお仙台市は、罰則規定は無い、と説明しているが、太陽光パネルの導入量基準を満たさなかった企業に対しては市が勧告し企業名を公表するとしているので、日本の法制度の常識に照らしてこれは事実上の罰則であり、企業には遵守の圧力がかかることになる。

第三に、防災の問題である。太陽光パネルは、地震などで落下ないしは破損したり、あるいは、津波をかぶって浸水しても、発電を続けてしまう。電圧は300Vに達するので、発火や感電の恐れが生じる。

通常の漏電であれば、それを検知して通電が遮断されるので問題は生じにくいが、太陽光パネルは、壊れても浸水しても、光が当たっている限りは発電を続けてしまう。この点が他の電気とは全く違うのである。

仙台市は震災も津波もそのリスクが高い場所である。そこに大量の太陽光パネルが導入され、そこを災害が襲ったならば、感電や火災などの二次災害が発生し、さらには避難や救助、復旧にも影響が生じることになる。

下記の資料でも、水害時の危険性は明白に指摘されている。

そしてこの資料にあるように、破損や浸水をした太陽光パネルは危険なので、近づかずに、専門家に依頼をせよ、としてある。だが、無数の太陽光パネルがある地域一帯を震災や津波が襲った時には、これはおよそ現実的ではない。専門家など、いつ来てくれるというのだろうか。

このような情報を無視したまま、太陽光発電の大量導入を進めることで、将来、怪我をする方、あるいは亡くなる方が出てくる可能性はないだろうか

なお、太陽光パネル自体は屋根の上にあるのでそれ自体が水没することは稀かもしれないが、それを送電線に接続するために電気を変換するパワーコンディショナー(パワコン)は、重量があるために、地震対応の観点から一階の低い場所に設置するのが普通であり、このパワコンが浸水することでも太陽光発電の周囲には漏電の危険が生じることになるので注意が必要である。

なお、仙台市資料では太陽光パネルの義務化によって4.2万トンのCO2が減るとしているが、これによる気温低下はわずかに0.000000021度に過ぎない。これによって仮に大雨の雨量が減少するとしても、せいぜい、1000mmの大雨について0.00000126mm減少するに過ぎない。つまり、この義務化は、仙台市の防災については、全く意味がない。

冷静に考えて、仙台市にとっての優先順位は何だろうか。CO2削減よりも、震災や津波に備えることの方が、はるかに喫緊の重要課題ではないだろうか。

殆どCO2削減にもならない上に、日本国民の電気代負担を増やし、ウイグルでの人権侵害を助長し、震災や津波の被害を拡大する形で、太陽光パネルの義務化をすることは、果たして適切なのだろうか

仙台市は、かかる制度の拙速な導入を中止すべきである

会見後の撮影
左から、レテプ・アフメット日本ウイグル協会会長、伊藤優太仙台市議会議員、筆者。

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