中銀ウィークで動くか、為替と金利?

今週はいわゆる中銀ウィーク。各地で定例の金融政策決定会合が開催されます。主要国だけでも日本、アメリカ、カナダ、EU、英国といった具合でその判断次第では為替が大きく動く可能性があります。

ではそれぞれの中銀は金利変更をするのでしょうか?

植田総裁(日銀HPより)パウエルFRB議長(Board of Governors of the Federal Reserve System SNSより)

私の大胆予測は何処も変更しない、であります。

各国、それぞれの事情はあります。なのでひとくくりに出来ないのですが、イラン戦争真っ只中で日々、先行き不透明感を漂わせるニュースが押し寄せる中、金利の変更による経済の微調整をするより、戦争による経済への影響度がはるかに高くなり、判断繰り越しとするのが一般的だと考えています。

金利のバイアスを見ると日本は引き上げ、EUも引き上げたい、カナダは横ばい、英国とアメリカは引き下げたいバイアスです。ただ、何処も強いバイアスがあるわけではなく、一定のディベート状態になっています。

特に注目されるのがアメリカです。私は26年に2度ぐらい利下げをするならば3月と秋ぐらいを想定していました。理由はパウエル氏が勇退するのにご本人がFRB独自の判断として決定できる実質最後のミーティングになるので利下げしても良いかな、と思っていたのです。特に雇用情勢が悪化しているので利下げするには理由が立つのです。ところが戦争が始まり、インフレ懸念が高まっています。統計は遅行するので今のガソリン価格や原油価格上昇に伴う物価高の数字は早くても4月、場合によっては5月にしか数字が出てこないのです。とすればインフレ部分については手元の数字と現実にギャップが生じているわけでこの判断を求められるわけです。

この場合、中銀はFOMCを含め、判断しない、という流れが一般的だと考えます。

次に仮に中銀がインフレを想定した場合、①それはスタグフレーションか? ②戦争はどのぐらい続くのか? ③原油価格は何処まで上昇するのか? という難しい議論をする必要があります。①についてはたぶんそうだろう、と思われますが、②と③については誰も分からないのです。また①がスタグフレーションだとすればアメリカは特に困るわけです。雇用が落ち込んできているので利下げ対応したいけれど物価は上がるので利上げするのか、という訳です。トランプ氏は再びパウエル氏に圧力をかけていますが、馬耳東風でしょう。

では為替です。弱くなるはずの米ドルでしたが、イラン戦争もあり、ドル指数を見ると96を切っていた今年の安値から100まで戻してしまいました。これ自体はあまり驚きはないのですが、個人的には戦争の終結のさせ方次第では大きな反落が待っているとみています。つまりアメリカからの離反がさらに進む可能性があるとみています。先行したのが金相場でした。が、私がもうピークと申し上げた頃から乱高下しつつも高値修正の動きになっています。戦争ならば安全資産の金がもっと買われるはずですが、そうならないところに大きな注目をしています。マネーは何処に?であります。

ドルや金とは比較したくないのですが、ビットコインの相場が底堅くなっています。一部には代替資産としてマネーが入っているとみる向きもあります。つまり世界で浮遊するマネーが本当に浮遊状態で行き先が決まらない状態だといってよいでしょう。

その中で為替の話をするのは怖いぐらい難しいのですが、一点だけ。3月中旬というのは例年、日本の3月決算を控え、レパトリ(外貨の一部を日本に戻す動き)が起きるため、円が買われるのです。そのピークは3月中旬でもうすでにそこを過ぎつつあるのですが円が弱いのです。ならば160円台を今週にもつけてもおかしくない、という感じです。

私は昔からドル円は160-80円のレンジ相場でこれを大きくはみ出す場合、それはそれなりの大きな事情があるべきと申し上げてきました。もしも今、そのレンジからはみ出すならばそれは日本のファンダメンタルズが極めて脆弱になったとしか言いようがないと思います。韓国ウォンも同様の動きになっていますが、もしも両国に共通する弱さとすれば国力と中国の見えない影響力が邪魔しているように感じます。両国とも昔の伸び伸びした感じではなく、抑圧されて社会に一定の不安感が付きまとう感じでしょうか?

日本の長期の経済の健全性を保てるかその尺度の一つに春闘があるのですが、今年は伸びが悪いと思います。つまり賃上げの勢いが減速してしまいました。これは企業の余力がなくなっているからなのでしょうか?もちろんこれではインフレに対抗できず、実質的に所得低下になってしまうと思います。この辺りが為替の弱さにもつながっているのでしょう。

では今日はこのぐらいで。


編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2026年3月16日の記事より転載させていただきました。

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会社経営者
ブルーツリーマネージメント社 社長 
カナダで不動産ビジネスをして25年、不動産や起業実務を踏まえた上で世界の中の日本を考え、書き綴っています。ブログは365日切れ目なく経済、マネー、社会、政治など様々なトピックをズバッと斬っています。分かりやすいブログを目指しています。

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