高市氏がトランプ氏と再会した際、ハグをしたことにいろいろ意見があるようです。ハグの文化は日本にはないのでどうなん?と思うのでしょう。私は海外在住ですから当然そういうことはしばしばありますが、通常は女性の方からハグされます。もちろん白人なら男性からでもできるのですが、日本人男性の私からやるとナチュラルではないのです。ちなみに日本人同士でも普通にします。(というか、抱きつかれます。)また日本人女性にはそれができる人とできない人がいるのも事実で、概ねハグが出来る人は社交的だったり明るい性格の人が多いような気がします。だけど高市氏のハグは私の読みは5割は性格、5割は作戦だった気がします。日米首脳会談のトピは後程もう少し述べます。
では今週のつぶやきをお送りいたします。
崩落した金と銀
NY時間の木曜日から金曜日の金と銀の下げ方は醜かったとしか言いようがありません。何故下げたのかは複合要因です。最大のトリガーは水曜日のFOMCでの金融政策決定会合の先行き見通しで利下げバイアスからより中立的になり、ひょっとすると利下げはこれで終わりかもしれないと思わせたことがあります。カナダ中銀も年末までに利上げか、という読みが出てきているし、ECBは次回の会合で利上げが議題に上がるとされ、植田日銀総裁も利上げが引き続き視野にあると述べています。つまり利下げでメリットがある金相場だけにその方向性が変わってしまったことが1つ目の理由です。
もう1つは株式市場全般が全く冴えないため、一部が利潤の乗っている金や銀を売却することで利益を確保したとみています。株式市場の不振ぶりは深刻です。いわゆる急落ではなく、上げ下げを繰り返しながらも着実に下げていく嫌なパタンで利益を生みにくくなっています。今、儲かる銘柄は原油かガス関連ぐらいなものです。その相反にある金と銀はどうしても売られやすいし、そもそも今の相場に至るまでにあまりにも急速に駆け上がりすぎたのでその反動ということもあります。
ではどこまで下げるのかですが、それが分かれば誰も苦労しません。私も買い場を待っているのですが、コツンという音は遠い感じで当面、金は4000㌦割れ、銀は50㌦割れが一つの節目になるとみています。そこがダメならそれぞれ3000㌦と30㌦が感覚的な底。一方、ビットコインは先に下げていたため、底堅く今後、戻していくとみています。株式市場は散々ですが、戦争が終わっても経済の歯車が空回りしつつあるので厳しい状況を予想しています。個別企業の業績よりも経済全体の環境がとにかく悪すぎます。

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乗り切った、お疲れさま、高市首相
今回のトランプ氏との会談は素直に褒めます。当初の目的とは若干変わりましたが、この難しい時期にハグで先手を取り、上手に乗り切ったと思います。会合前まではメディアは相当不安視する報道を流し続け、さすがの私も日経のペシミズムは酷すぎると思ったぐらいです。正直、日経を批判する人が多いのは記事のトーンが少なくともこの5-6年、ひどく内向きになった点です。ただ専門分野の情報量と分析能力はそれでも他紙を圧倒しているので日経は読み方を変え、ヘッドラインのトーンを鵜呑みにしないように注意深く読むようにしています。
で、高市氏がうまくこなしたのは氏と取り巻きたちが様々なシナリオをベースに研究とブレーンストーミングを重ねた結果であることは言うまでもありません。ただ、私はトランプ氏にも5割ぐらいの理由を見ています。それは氏が四面楚歌になりつつある点です。閣僚の辞任もあったし、イランの戦争はネタニヤフ氏に「はめられた」感が一層強くなり、イスラエルもトランプ氏の閣僚も「アメリカの同意のうえで」とか「大統領の指示で」といった責任逃れやトランプ氏にすべてを押し付ける言動が目立ってきているのです。トランプ氏は後年「全ての奴らが俺にゴミを押し付けた」という気がします。
もう1つは白人は白人同士なら友好もバトルもできるのですが、アジア人とはやりにくいのです。これは白人にアジア人の思考回路が理解しにくいことが理由でその根底にコミュニケーションギャップを見ています。これは英語の出来不出来ではなく、発言や文章にあるその内容が文言通り理解できないのです。「その言葉の意味するところは何?」であります。究極的には宗教観を伴う文言の理解度であります。(一神教の人は多神教の価値観はわかりにくいと思います。)トランプ氏はもともとアジア人は苦手だった中で今回、女性でしかも結構ユニークというか、型破りな首相なので私から見れば高市氏が掌の上でトランプ氏をころころしたイメージを持っています。大したものです。
深堀りとこだわり
日本人の製造技術は改良型で部品1つ1つへの追求が良い製品を生み出す原動力であります。では買い手側はどうかと言えばこれまたこだわりの塊であります。そのこだわりは千差万別で必ずしも客観的に評価される必要はなく、自分の中で「ビンゴ!」となればとことんそこにはまり込むのであります。つまり日本経済の最大の特徴であり、かつ他者がまねできないポイントとは需要側も供給側もオタクであると言ってよいと思います。あまりにもオタク度が強いと汎用性が無くなるため、それが海外で売れるかと言えばさっぱり売れなかったという話はゴマンとあるわけです。
飲食店の深堀りは特にわかりやすい例で、皆さんそれぞれにお気に入りの店があると思います。どれだけウェブ上で一定の評価があろうと好きな人は好き、嫌いな人は嫌いで案外、最後は店主の接待具合や盛り付け、サービス姿勢だったりするわけです。海外で事業をする私がモットーとするのは少数精鋭の従業員各人が「その道のプロであれ」という点です。顧客から何を聞かれても確実に即座に対応できるノウハウと経験、そして顧客への姿勢を大事にすることです。最近は当地でもちょっとした質問にすら答えられず、「少々お待ちください」が連発される中、何を聞かれても「これはこうですね」と説明できるのは重要な深堀だと思います。
一方で顧客もこだわるのです。とすればすべてのお客様を満足させることは無駄である、という見方もできるのです。むしろ70-80%ぐらいの支持率の方がビジネスの回転が効いてよいのです。例えばある寿司屋は席数が10席で常に予約でいっぱい。その客はほとんどが常連でぐるぐる回っているとすれば新規の客が入り込む余地がなく、評価も真の評価なのか、ファンクラブの身内評価なのかわからないのです。お前のビジネスはオタクだよな、と言われるのが私にとって最も誉め言葉。そして嫌な客には時として「嫌ならうちを選ばなくても結構」という強気な姿勢を示しますが、経験的にはほぼ100%それらの客が出ていくことはないのです。要は自信をもったビジネスをするということでしょうね。
後記
原油価格上昇で私が一番先に手を付けたのが予定されている出張などの航空券をさっさと押さえること。特に日本便は燃料サーチャージが突如かかることがあります。現時点で予約済みの国際線は9月分までで4往復。そこまで慌てなくても、と思うかもしれませんが、既にわかっている予定なら行動しないネグリジェンスは私には許せないのであります。未来の予想をしながら自分にとってもっとも妥当な行動を行う判断力はAIには任せられないのです。私はただでさえ、記憶容量が年齢と共に落ちてきている中、考えるチカラもAIに奪われて白痴にはなりたくないですからね。
では今日はこのぐらいで。
編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2026年3月日の記事より転載させていただきました。







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