「9条守れ」と「アメリカに媚びるな」の両立は不可能だということにそろそろ気づいてほしい。
戦力不保持の9条を守るということは「自分で自分を守れない」従属国家としての生存戦略をとるということ。…
— 山尾志桜里 (@ShioriYamao) March 23, 2026
鋭い論点整理に膝を打った
元衆議院議員の山尾志桜里さんが、護憲派の論理的矛盾を鋭く整理したポストをされていて、思わず膝を打ちました。
要約するとこういうことです。
「9条を守る=自衛戦力を持たない=他国(アメリカ)に安全保障を依存する」という構造を選んでおきながら、「アメリカに媚びるな」と主張するのは論理的に不可能だ、と。
自分の船のオールを他人に渡しておいて、「その人の漕ぎ方が気に入らない」と文句を言っているようなものです。
「9条で守られた」論の正体
今回、米国の関税攻勢に対する日本政府の外交姿勢をめぐって「9条があったから集団的自衛権の行使を断れた。9条に守られてよかった」という言説が一部に出ています。
でもそれは山尾さんが喝破されたように、「アメリカが引き続き守ってくれるようでよかった!」という話に過ぎません。
自らの意思で「自立した外交」を選び取ったわけではなく、「従属先がたまたま気の利いた判断をしてくれた」だけの話です。それを自国の外交的成果のように語るのは、少し違う。
トランプ・ヴァンス政権が突きつけた現実
山尾さんも指摘されていますが、トランプ大統領が「G2(米中二極)」に言及し、ヴァンス副大統領が「西半球に集中」と唱える現在の米国は、かつてのような「無条件に極東を守る守護者」ではありません。
「アメリカが守ってくれる」という前提そのものが、地殻変動を起こしています。
従米から従中への「鞍替え」を余儀なくされる日が来ないとも限らない――。これは荒唐無稽な話ではなく、今まさに現実の地政学リスクとして議論されていることです。
自分のオールを他人に渡したまま、相手が変わったら別の人にまた渡す。それが「戦略」と呼べるのか、私には疑問です。
だから私たちは9条改正を訴えてきた
日本維新の会は一貫して、9条改正を訴えてきました。
「戦力不保持」の建前を続けながら実態として自衛隊を保有するという、現在の「解釈の歪み」を解消し、自衛官が誇りと法的根拠を持って職務を全うできる環境を整える。
そして「自分で自分を守り、不足は互いに守り合う」主権国家として、対等な同盟関係を築いていく。
「毅然とした外交」を望むなら、論理的な帰結はこれ一択です。
「哲学」ではなく「戦略」の話をしよう
山尾さんは「9条を盾に生きていく道は、もはや戦略というより哲学だ」と表現されています。
まさにその通りで、信念として護憲を選ぶ自由は誰にでもあります。しかしそれは「合理的な安全保障戦略」とは別の話です。
「媚びるな」「毅然とせよ」と外交姿勢を批判するなら、まず「自分で自分を守れる国」になるための議論を、真正面から受け止めてほしい。その順番を飛ばして感情的な対米批判だけをするのは、建設的な安全保障論議とは言えないでしょう。
山尾さんの論考は、党派を超えて多くの人に読まれてほしいと思います。

日米首脳会談2026年3月20日 トランプ大統領と高市首相 首相官邸HPより
編集部より:この記事は、前参議院議員・音喜多駿氏のブログ2026年3月23日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は音喜多駿ブログをご覧ください。







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