昨年7月に沖縄に鳴り物入りで開業したジャングリア。その時、私は開業直前のブログで多難になるのでは、と指摘させていただきました。ジャングリアは時の人と言っても良い森岡毅氏がプロデュースする沖縄の北部に位置するジャングルをモチーフにしたテーマパークであります。

石破首相も出席した記者会見 ジャングリアHPより
なぜいくら売れっ子の森岡氏でも難しいか、当時のブログに理由を並べていますが、ポイントだけ再度確認すると ①遠すぎる ②沖縄の天気がイマイチ ③森岡氏の手腕の3点を掲げています。
遠すぎるというのは本土から沖縄という距離感、及び沖縄内での距離感の両方です。特に那覇空港から2時間以上もかかり、沖縄の本命リゾートとは違うエリアにあることが懸念でした。沖縄の天気は雨が多いのですが、統計的に晴天率が6割しかない点も指摘しました。そして3つ目目の森岡氏の手腕なのですが、旬が過ぎたと見たのです。
文春も厳しい記事を掲載しています。森岡氏の躓きは氏がプロデュースしたイマーシブフォート東京が大不振で営業終了をしたことがきっかけであります。開業が24年3月で26年2月に営業終了ですから2年持たなかったのです。その理由が没入型ライブエンタテイメントというコンセプトがオタク系だったのだと考えています。森岡氏はUSJが奇跡の復活を遂げたとしてその手腕が注目されたのですが、それはマス(大衆)を正攻法で攻めたことが成功の理由だったと思うのです。マーケティングの神様と持ち上げられると新たなプロジェクトは普通のコンセプトは出来なくなるのです。メディアも顧客も従業員も「次は何だろう?」と期待するのです。そしてご多分に漏れず、多くはメディアが喜ぶような難しいチャレンジをしがちだということです。つまり森岡氏は自分に負けたのだと思っています。
で、そのイマーシブフォート東京の損失の行方です。同社の24年11月の第8期決算で55.5億円というとてつもない赤字を計上しました。大半がイマーシブ関連だとみています。そして決算期変更をして第9期決算が25年6月に行われていますが、これが13.4億円の赤字です。7か月決算であることに着目してください。そして最大の注目はイマーシブの営業終了に伴う欠損を計上する26年6月期に大きく反映される点です。
では森岡氏としてその巻き返しを図るべく沖縄ジャングリアはどうなのか、というと申し訳ないほど閑散状態であります。文春によるとジャングリアの年間来場者数は300-400万人を見込んでいたのに1月までの半年間の来場者数が65万人にとどまっているのです。開業イヤーは普通、提灯がつくので盛り上がるはずが全然ダメだったのです。となればジャングリアの筆頭株主である刀社の6月の決算はイマーシブの損失とジャングリアの営業赤字のダブルになるので3桁億円の損失になってもおかしくないとみています。特にジャングリアの経営会社であるジャパンエンタテイメント社に刀が700億円ぐらいのファイナンスをつけているのですが、これがもしも保証付きであれば相当厳しい状況に追いやられると思います。
森岡氏にとってもうひとつの誤算は中国からの客が途絶えたことでしょう。もちろん、これは政治レベルでの話ですが、悔やんでも悔やみきれない話かもしれません。
私が高層住宅のデベロッパーをやめた理由は私個人では規模とリスクに対して懐具合が十分ではなかったからであります。不動産開発もテーマパークもある意味「水物」なのです。運もあるし、時の風も吹くのです。そのリスクに耐えられる財務力や打ち勝てるだけの圧倒力があるかどうかが全てであって私にはそれはないからもっと規模の小さなものにシフトすると同時に財務力を育んだのです。
人生、ロケットジャンプするほど上昇できるチャンスは1度か2度しかないことも事実。私はそれはつかむべきだ、と何度もこのブログで申し上げていますが、リスク見合いは当然あると思います。少なくともジャングリア融資に大手金融機関がかかわらなかったというのは彼らの審査が如何に厳しかったか、ということであり、逆に言えば今話題のプライベートファイナンス問題のように甘い与信が経営の実力以上の膨張を招きやすいとも言えるではないでしょうか?
では今日はこのぐらいで。
編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2026年4月2日の記事より転載させていただきました。







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