国が「日本の魅力を世界へ」と巨額の予算を投じたクールジャパン機構。しかし、気がつけば残ったのは巨額赤字と失敗案件の山だった。いったい何が間違っていたのか。補助金ビジネスの闇を解説します。
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メディア業界に精通し、放送・配信ビジネスの舞台裏を知り尽くす元テレビマン・下矢一良氏が解説するYouTubeチャンネル「下矢一良の正直メディア」。チャンネル登録お願いします。
IT・メディア国が「日本の魅力を世界へ」と巨額の予算を投じたクールジャパン機構。しかし、気がつけば残ったのは巨額赤字と失敗案件の山だった。いったい何が間違っていたのか。補助金ビジネスの闇を解説します。
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クールジャパン機構の383億円損失、これは「失敗」ではなく「放置」の結果だ。記事の問題提起には賛同するが、責任の所在をめぐっては一点、強く言いたいことがある。経産省を批判して終わる話ではない。財務省は、いったい何をしていたのか。
欧米各国は事前審査の厳格化、段階払い、自動回収(クローバック)、透明性の確保という多層防御で公金の無駄遣いを構造的に防いでいる。ドイツのサンセット条項、カナダの相殺回収制度、英国のグリーンブックによる費用対効果審査——日本に欠けているものは確かに多い。これらの指摘は正しく、参考にすべき方向性だ。
ただ、私が最も問いたいのは別の点だ。
財務省はかつて、自衛隊の防衛装備品の選定・調達にまで、具体的かつ執拗に口を出してきた。防衛省の専管事項とも言える兵器調達の領域で、財務省は装備品の価格低減、仕様の絞り込み、導入数の削減、さらには用途廃止にまで介入してきた実績がある。高度な軍事・安全保障上の専門知識を要する領域であっても、「費用対効果」「財政的合理性」という名目で、他省庁の判断に容赦なく踏み込んできたのだ。
それだけの権限と意志があるなら、なぜクールジャパン機構のような官民ファンドに対して、同じ厳しさで「この事業は本当に採算が取れるのか」「撤退条件はどこに設定するのか」「成果が出なければいつ止めるのか」と迫らなかったのか。他省庁への介入の「前例」は、財務省が自ら作っている。「管轄外」とは言わせない。
補助金拠出前の事前審査、執行中のモニタリング、そして成果が出なければ資金を止める判断——これらこそ財務省が最も強く関与できる領域のはずだ。「日本の魅力を世界へ」という理念を全否定するつもりはない。しかし理念と財務的現実可能性は別物であり、その峻別こそ財務省の本分ではないのか。
383億円の損失が膨らむまで、誰も止めなかった。それが最大の問題である。防衛装備には厳しく査定するのに、官民ファンドには甘い。このダブルスタンダードに、日本の財政ガバナンスの歪みが凝縮されている。財務省よ、自らが作った前例を、今こそ公金全体の守りに使え。
無駄遣い関連だとこんなのもある。財務省、ボーっと生きてんじゃねーよ!
少子化が加速する日本では、私立大学の約6割が定員割れという深刻な経営危機に直面している。学費収入や国からの私学助成金を確保するため、留学生の獲得に活路を見出す大学が増えているが、その裏側では看過できない問題が生じている。
文部科学省は、日本語で授業を行う場合の入学要件として「日本語能力試験N2相当以上」を目安とするよう各大学に厳格に指導している。しかし、定員確保を最優先とするあまり、実質的な審査が形骸化している大学も存在する。その結果、授業を十分に理解できないレベルの学生が入学してしまう事例が後を絶たない。
2019年に問題が表面化した札幌国際大学では、在籍する留学生の約4割がこの基準を満たしていなかったことが確認された。さらに深刻なのが東京福祉大学のケースだ。文部科学省と入国管理庁による調査で、N3相当以下の学生が多数在籍していた事実に加え、2018年度には実に823人、全体の約16%にあたる学生の所在が不明となっていたことが判明した。
こうした状況の背景には、留学ビザを「週28時間のアルバイト就労」や「卒業後の就労ビザ取得」のための手段として利用する実態があるとも指摘されている。本来、学問を修めることを目的とすべき留学が、事実上の出稼ぎや移住のルートとして機能しているという問題は、大学側の審査の甘さと表裏一体の関係にある。