ハッピーな気分にはなれない中央区の「ハッピー買物券」

内藤 忍

私が住んでいる東京都中央区で、先週から「ハッピー買物券」の申し込みが始まりました。中央区内のお店で使える買い物券が25%のプレミアム付きで購入できるというものです。対象となるのは16歳以上の区民・区内在勤者です。

こちらのサイトから登録すると抽選で当たる仕組みになっているようです。1人50,000円まで申し込みできますから、当たれば12,500円が上乗せされることになります。

区民の生活のサポートをしながら、地元の商店に対する売り上げ促進を実現するのが目的のようです。

私も早速申し込みをしましたが、気になるのは、この制度の導入に伴うコストです。データを見ると中央区はこの事業の事務委託費として、単年度で2億円を超える予算を計上しています。

予算案では発行総額30億円に対してその運営を外部委託するための経費が約2億4,000万円となっています。もしこれが正しいとすれば、発行コストが8%かかっていることになります。これにはプレミアム支払い分は含まれていませんからトータルの発行コストは20%を超える計算になります。

申し込みをサイトから受け付け、当選者を決定し、偽造防止を施した紙の券を印刷し、配送する。使われた買い物券はお店から回収し、最後は手作業で清算することになります。

高齢者に配慮したのかもしれませんが、紙の買い物券を郵送するという極めてアナログな対応です。

アプリなどを使ってスマートフォンから手続きが完了できるようにすれば、事務コストは低減でき、今後同様な施策を低コストかつスピーディーに実現することができるようになります。

プレミアム買い物券はタダではありません。上乗せ分や発行に伴う費用は最終的に区民の税金から賄われることになります。

申し込まない人が損をする仕組みなので私も抽選に参加していますが、このような買い物券にはそもそも反対ですし、アナログな方法で配布することにも反対です。

中央区の区民に対する政策を見ているとこのハッピー買物券に限らず他にも必要ないのではないかと思うものがいくつか見当たります。

中央区をはじめとする東京の都心3区は税収が潤沢で予算に余裕があり、どうしても予算がバラマキ施策になりがちに見えます。

不必要な施策を非効率に進めるのであれば、その費用を削減し減税してほしいと思うのは私だけでしょうか?


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2026年4月15日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。

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