〜鏡の中の敵〜

AIのイラストの中の日本語文字化けしすぎでしょう
彼らは今日もTwitter(X)やThreadsで戦っている。ネトウヨとパヨク。日本のインターネット空間における永遠のライバルであり、互いを「頭がおかしい」と罵倒し合う犬猿の仲だ。
しかし、少し引いて見てみると——
あれ、お前ら、めちゃくちゃ似てない?
そりゃそうだ。ネトウヨは明確に右翼ではないし、パヨクは左翼思想ではない。互いにネット拗らせ系で知識もぺらっぺらなのである。
第1章:「悪いのはアイツら」理論
ネトウヨの世界観はシンプルだ。自分の生活がうまくいかないのは、大企業、在日外国人、中国、韓国のせいである。
パヨクの世界観もシンプルだ。自分の生活がうまくいかないのは、大企業、資本家、自民党のせいである。
→ 構造、完全に一致。
主語だけ差し替えれば、同じ文章になる。これは偶然ではない。「自分は悪くない、悪いのは外の敵だ」という思考回路は、人間が不満を処理するときの最も古典的なパターンだ。ネトウヨは「外国人」フォルダに、パヨクは「資本家」フォルダに、それぞれ不満をドラッグ&ドロップしているだけである。
第2章:財政観がなぜか一致する謎
ネトウヨ「消費税を廃止しろ!国債を刷れ!日本には通貨発行権がある!」
パヨク「消費税を廃止しろ!国債を刷れ!財源は後でなんとかなる!」
……えっ、あんたら同じ主張してる。
MMT(現代貨幣理論)という経済学の異端の一派があって、「自国通貨建て国債はいくら刷っても大丈夫」という主張をする。この理論、ネトウヨもパヨクも大好きなのだ。参政党とれいわ新選組が同じ主張です。シカゴ大で実施した調査では経済学者でMMTを支持する者は1人もいなかった。
財政規律を語ると「緊縮派の犬!」と怒られる点も共通している。ちなみに日本でMMTを主張するMやF一派はアメリカのMMTの提唱者グループのステファニー・ケルトン教授やレイ教授からXで正式に絶縁宣言をされている。内容がでたらめでイデオロギーに利用しているという理由だからだ。
イデオロギー風味が違っても、「とにかく政府にカネを出させたい」という欲求では深く繋がっている。感動的な連帯と言えなくもない。
第3章:食と健康への不安も同じ
パヨクは無農薬野菜を愛し、自然食品を好む。「食の安全」に敏感で、添加物を恐れる。かつては反ワクチンからマコモ風呂までトンデモが大好き。
ネトウヨはどうかというと……参政党を支持する層と相当かぶっており、こちらも「ワクチン危険」「添加物まみれの食事はおかしい」「グローバル資本が食を支配している」という方向で完全一致。
パヨクは原発を毛嫌いするが、同様にネトウヨはソーラー発電を毛嫌いする。そみにはエネルギー問題より好き嫌いを優先するという明確な共通点がある。
結局、二者とも「見えない何かに体を侵されている」という不安を持っている。
敵がグローバル資本なのか、それとも中国の陰謀なのかという違いはあるが、「自分たちは汚染されている、本来の純粋な状態を取り戻すべきだ」という感覚は驚くほど共鳴している。
第4章:本家イデオロギーから見た「迷子」問題
ここで重要な指摘をしておきたい。
本物の右翼・保守は、簡単に人を「反日」「売国奴」と呼ばない。
保守思想の核心は、社会の継続性への敬意と、軽率な変化への慎重さだ。他者を罵倒して「ザマアwww」と喜ぶ行為は、保守でも右翼でもなく、単なるルサンチマンの発散である。
同様に、本物の左翼・社会主義は、軍備を否定しない。
ソ連は世界最大級の軍隊を持っていた。中国も然り。「軍隊がなければ戦争は起きない」という発想は、左翼イデオロギーとは無関係の素朴な平和幻想であって、むしろ戦略的思考の欠如である。
つまり、ネトウヨもパヨクも・・・・・
自分が名乗っているイデオロギーの「正規版」からすら、見捨てられている。
右翼でも左翼でもなく、インターネットで拗らせた不満層という新ジャンルなのだ。
第5章:最大の共通点——「仲間の空気」が真実になる
両者の最も本質的な共通点はここだ。
事実確認より、仲間内の雰囲気が優先される。
ネトウヨのタイムラインでは、嫌韓・嫌中のニュースに「いいね」が集まり続ける。パヨクのタイムラインでは、政権批判と格差告発が無限にRTされる。どちらも、自分が見たいものだけが増幅されるエコーチェンバーの中で、確証バイアスを強化し続ける。
そして互いを見て言う。
「あいつらは感情で動いている」と。
結論:彼らは敵ではなく、同士である
ネトウヨとパヨクは、同じ池の中を逆方向に泳ぐ魚だ。池の外に出たことがないから、自分たちが同じ水を飲んでいることに気づかない。
怒りをアイデンティティにする点、敵を外部に設定する点、財政に関する非現実的な楽観論、そして本家イデオロギーからの乖離——あらゆる面で、彼らは鏡像関係にある。
もし両者が出会って、互いのことを知らずに話せたなら、きっと意気投合するだろう。
「そうそう!全部アイツらのせいなんだよ!」
アイツら、の中身が違うだけには気づくんだけどね
| 項目 | ネトウヨ | パヨク | 共通点 |
| 敵の設定 | 外国人・近隣国を敵にしやすい | 金持ち・企業・権力を敵にしやすい | まず敵を作って話を単純化する |
| 判断基準 | 事実確認より怒りと仲間内の空気を優先 | 事実確認より正義感と仲間内の空気を優先 | 感情が先、検証なし |
| よく使う決めつけ | 「反日」「売国」 | 「差別」「搾取」「権力の犬」 | レッテル貼りが早い |
| 経済の見方 | 財政出動や赤字国債を発行して金をくれ | 財政出動や赤字国債を発行して金をくれ | 理屈は違っても結論が似る |
| 安全保障の発想 | 威勢のいい強硬論に流れやすい | 楽観的な平和論に流れやすい | どちらも現実の複雑さを飛ばしがち |
| エネルギー政策 | 「太陽光なくせ」 | 「原発なくせ」 | 嫌いなものを消したがる |
| 科学やデータとの距離 | トンデモ大好き | トンデモ大好き | 科学を否定し感情が先行 |
| 仲間内での盛り上がり方 | 愛国ごっこになりやすい | 正義ごっこになりやすい | 部族化しやすい |
| 本質 | 保守思想の劣化コピー | 左派思想の劣化コピー | 思想というより極端なネット気質 |
| 総合評価 | ネット拗らせ系 | ネット拗らせ系 | 双子の陰と陽 |
編集部より:この記事は永江一石氏のブログ「More Access,More Fun!」2026年4月20日の記事より転載させていただきました。







コメント
経済政策として消費税減税・財政出動国債発行を主張することに何の問題があるの。ネットウヨ・パヨクが主張しようとしまいが政策否定
の論拠にならない。永江氏が消費税減税・財政出動国債発行政策に反対なだけのこと。多分均衡財政で解決などと思ってのことでしょう。
しかし金融緩和政策がデフレを脱却させ日本経済を成長へ大転換させた。均衡財政を続けておれば経済は奈落の底だった。
要は自己の考える均衡財政以外の政策論拠は切り捨ててしまう。河井継之助が勤皇と幕府側の思惑も考えず中立で事を乗り越えようとした
が強い勤皇側に吹き飛ばされてしまった。自己都合で論理をたて相手を思考外に置き忘れるがチェンバレン型行動思考気質なのです。
統計数字をいくら駆使しても現状を知るだけ。先の衆院選でも自民敗北、中道改革大躍進の予測で前回のみの選挙で当てた評論家の見込み
を紹介して自己の正当性の理屈としていましたが結果は大外れ。統計への思い込みと自己理屈以外を削ぎ落としてしまう気質がそうした判
断をしてしまうのです。
斎藤元公明党代表が高市首相を批判し政権離脱したあるいは玉木国民民主代表が不倫をした首相に目がくらんで自民党との連立に躊躇した
など其の人の気質と反する行動ばとれば必ず政治生命に致命的打撃を受けるのです。行動を起こしたその時に将来の動勢が予測できるかど
うかが戦略脳の差なのです。
高市首相の責任ある成長戦略をよく理解し切り捨ててしまった理屈を再構築することをお勧めします。同じ気質の維新吉村代表の自民党と
の連立は最高の戦略判断でした。政権入で維新の政策を実現出来るようになりました。戦略判断を間違えた公明党・国民民主は消えてゆく
左翼と組まざるを得ず結果党勢もこれまで。