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正直に言う。スマホを子どもから取り上げて、据置型のゲーム機を買い与えたほうが、よほど目にはいい。
「は? どっちも画面じゃないか」——そう思った人ほど、少し聞いてほしい。
『1週間で勝手に目がよくなる体になるすごい方法』(平賀広貴 著)日本文芸社
まずテレビゲームの話。65インチの大画面を2メートル離れて見るぶんには、ピント調節を担う毛様体筋への負担はほぼゼロである。むしろ、コントローラーの指先操作と画面情報の処理が連動するから、脳の認知機能のトレーニングになるという報告すらある。
「ゲームが得意な子ほど成績がいい」——これも昔から言われてきた話だ。
問題はスマホゲームのほうである。
画面までの距離、せいぜい30センチ。毛様体筋は緊張しっぱなしで「調節緊張」を起こす。ブルーライトで眼精疲労、夜更かしで睡眠リズムは崩壊。おまけにタップだけで報酬がもらえるから、頭も使わない。ジャンク情報がエンドレスで流れ込み、いつまでもやめられない。これを「ゲーム」と呼ぶこと自体、ファミコン世代の私には抵抗がある。アレはもう別物だ。むしろスロットマシンに近い。
電車で見かける、あの一心不乱にタップしている人たち。あれを見るたびに、何かの儀式かと思う。本人は楽しんでいるつもりらしいのだが、表情はだいたい無である。
ところで、視力を守る生活習慣には5つの柱がある。「光」「近業抑制」「運動」「食事」「脳」。屋外に出ろ、近くを見続けるな、体を動かせ、ポリフェノールとオメガ3をとれ、頭を疲れさせるな——そう並べていくと、結局のところ「外で遊んで、よく寝て、よく食え」という、昭和の母親が口酸っぱく言っていた話と一字一句同じである。
科学が一周回って母親に戻る、というのはなんとも示唆的だ。いや、笑い事ではない気もする。
で、結局どうするか。スマホは1日1時間、テレビは2メートル離れて、夜更かしはしない…。書いていて、自分が一番できていない気がしてきた。
説教は、ここまでにしておく。
尾藤克之(コラムニスト、著述家、作家)
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