バイリンガル教育に適したバンコクに母子留学、その実情とメリットは?

tawanlubfah/iStock

教育にお金と時間をかけてリターンを得られるかという観点で見る場合、勉強全般・スポーツ・音楽と比べても、英語は最も確実にリターンを得やすい分野だと言えます。

もちろん日本国内で英語を学ぶこともできますが、子どものころから海外で暮らして英語で教育を受ける効果は非常に大きく、最近では、父親が日本に残って母子が海外に移住する「母子留学」や、一家で海外に移る「家族留学」も増えています。

そうした「母子留学」の実情を知ってもらうため、タイの首都バンコクで母子留学をしている小泉さん(仮名)に、お話を伺いました。(インタビュー日:2026年3月9日)

日本国内のインター幼稚園に通って、英語の素地をつくっていた

——小学校に上がるタイミングで、お子さんがバンコクのインターナショナルスクールに入学されたとのことですが、お子さんの英語教育は元々やっていらしたのですか?

小泉:娘は幼稚園もインターだったので、バンコクでインターナショナルスクールに入る前から英語には親しんでいました。ただ、最初からインターの幼稚園を選ぶつもりだったという訳ではなく、いわゆる「お受験」を目指す幼稚園には違和感があり、モッテッソーリ教育の幼稚園を選んだらインターになったという感じです。

——そこから、タイのインターに入るという決断に至った経緯は?

小泉:小学校もインターナショナルスクールに入れる、それも名門と言われる学校に入れようとすると、日本人同士の夫婦の家庭の場合は相当に「狭き門」です。しかも、見学に行ってみたのですが、そこまで無理しても娘を入れたいというイメージは湧きませんでした。それであれば、海外のインターナショナルスクールに入れるのも手だな、と思い始めました。

タイのインターナショナルスクールへの母子留学を選んだ理由は?

——海外で学ぶにしても、いろいろな国が選択肢になるでしょう。また、一家での移住も母子留学もあります。そうした中で、タイのインターナショナルスクールへの母子留学を選んだ理由は何でしょうか?

小泉:私の一家は会社を経営していて、夫が社長です。そのため、一家そろっての海外移住は無理で、母子留学の形しかありませんでした。そのうえで、夫が行き来することを考えると、日本から比較的近い、タイ・マレーシア・シンガポールのどこかだろうと考えました。また、うちの会社は海外事業もあるのですが、会社の仕事でタイとは関わりがあったので、自然とタイが第一候補になりました。

——タイにはインターナショナルスクールがたくさんあります。どうやって学校を選びましたか?

小泉:幼稚園時代の夏休み、観光ついでに学校見学にいきました。そのうえで、いきなり大規模校だと娘が委縮してしまうのではないかと思い、比較的小規模な学校を選びました。

バンコク市内のインターナショナルスクール
筆者撮影

バンコクの日本人居住エリアにありながら、日本人が多すぎない小規模校の実情

——お嬢さんの通っているインターナショナルスクールは、どういった学校でしょうか?

小泉:まずは、少人数クラスという点が特徴です。1クラス12人で、先生が1人・ティーチングアシスタント(TA)2人です。

——1学年の人数も少ないのでしょうか?

小泉:娘の学年の場合は5クラスありますから、1学年約60人です。学年全体の人数が少ない訳ではありません。ですから、少人数制の良さと学年人数の多いことによる活気、その両方があると思います。

——日本人の生徒が多いかどうかを気にする方も多いのですが、お嬢さんの通っているインターナショナルスクールの場合はどうでしょうか?

小泉:生徒の国籍は偏っておらず、どこの国の生徒が多いという印象はありません。やはり一番多いのはタイ人で30~40%です。日本人は10%くらいでしょう。

——日本人の教職員もいらっしゃいますか?

小泉:教師は北米(アメリカ・カナダ)出身の方が20%くらいでしょうか。日本人の教職員はいないですね。日本人居住エリアの真ん中にあるにもかかわらず、日本人生徒がそれほど多くない(10%程度)のは、日本人の教職員がいないからかも知れません。

——勉強の進め方は日本の学校とはかなり違うのでしょうか?

小泉:うちの娘はYear1(小学1年)ですが、日本的な詰め込み式の勉強ではありません。何らかのテーマを決めて、そのテーマについて深掘りしていくという勉強スタイルです。いわゆる「アクティブラーニング」重視のスタイルです。

こどもの日本語と英語のバランスは?将来はどうする?

——お嬢さんは相当英語に慣れてきていると思いますが、英語と日本語のバランスはどうでしょうか?

小泉:家の中では日本語を使っていますし、そろそろ日本語で学ぶ塾にも通わせようと思っています。海外のインターナショナルスクールに通わせるとしても、英語しかできないと将来困ってしまいますから、日本語力を高めることは必須だと思います。どの国に移住しようか検討していたとき、EUの永住権を取れるオランダも興味を持っていました。でも、白人社会で生きていくことの難しさがあると思い、移住先としてタイを選んだ経緯があります。バンコクであれば、白人的価値観に染まることはないでしょうし、日本語教育もアクセスしやすいですから。

——お嬢さんの将来はどのようにお考えでしょうか?

小泉:小学校までしかないので、その先をどうするかは検討中です。中学校からバンコクの別の学校に通わせるかもしれません。あるいは、日本のインターナショナルスクールに編入で入れるか、中学受験の帰国生入試を目指すか。いまのところ、まだ決めていません。

バンコク市内の日本人が多く住むエリア内のコンドミニアム
筆者撮影

日本企業のオーナーファミリーだから可能になるメリットはある?

——小泉さんは、日本国内の非上場企業のオーナーファミリーの方ですが、企業オーナーだからこその特有の事情はあるでしょうか?

小泉:うちの会社は、コンサルティング事業を営んでいますが、日本国内の事業だけでなく海外事業も営んでいます。これまでは、日本法人を起点に業務を行ってきましたが、私がタイに移住するのを機に、海外事業の法人を日本国外に設立し、その海外法人で海外事業を扱うようにしています。さらに、日本国内の仕事のうち、海外法人で扱うべき作業も海外法人で扱っていく方向です。こうすることで、会社全体で見て結果的に節税になるのであれば有難いことです。

——今日は、ありがとうございました。

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