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(前回:「去り際」で全部ぶち壊す営業たち)
正直に言う。ペンの話だ。「え、ペン?」と思った人、その反応が問題だ。その瞬間に差がついている。
先日、ある商談に同席する機会があった。若手の営業が、大手メーカーの購買部長と向き合っていた。話はうまい。資料もきれいだ。ところが、確認のサインを求める場面で、彼はごそごそとペンケースを漁り始めた。出てきたのは、キャップのないボールペン。インクも薄かった。あの瞬間の、部長の微妙な表情を忘れられない。
何も言わなかった。ただ、少し眉が動いた。それだけだ。でも、あれで何かが変わった気がした。
武器は人それぞれ、でもペンは納得がいく
そもそも営業には、各々の「武器」がある。トークが武器の人、資料の緻密さが武器の人、愛嬌が武器の人。冒頭のエピソードも、著者にとってのペンが「成功体験と直結した武器」だから書ける話だ。それは素直に認める。
ただ、ペンの話は腑に落ちた。私自身、コンサルタント会社に在籍していた時期がある。数枚の企画書で数千万円を受注しなければならない世界だ。そこで気づいたのが、「色」の力だった。
初回訪問の企画書はオレンジを基調にした。オレンジはコミュニケーションを円滑にする色とされている。2回目以降はピンクに切り替える。雰囲気を和らげ、信頼関係を醸成するためだ。そして最終プレゼンは黄色。富と豊かさのイメージを演出する。
面白いことに、途中で相手方が気づく。「なんか毎回、色が違いますね」と。そこで初めて説明する。色彩心理の話をすると、たいてい驚かれた。そして「こんなところまで考えているのか」という評価に変わっていく。
さらに、企画書はカラーのくるみ製本にした。手に取った瞬間から「これは違う」と感じさせる高級感がある。中身に入る前から、すでに勝負は始まっているのだ。
ペンも、企画書の色使いも、根っこは同じ話だと思う。「相手がどう感じるか」を、言葉の前に設計しておく。それが、いつの時代も変わらない営業の本質だ。
ペンは「判断力」を映す鏡だ
要するに、ペンはTPOを読む力の見本市だ。
3万円前後の高級ボールペン。経営者や役員クラスとの商談には、これを使う。「そんな金額のペン、必要か?」という声が聞こえる。気持ちはわかる。ただ、大企業のトップ層が普段から何を使っているか、考えたことがあるか。モンブランやペリカンを当たり前のように使う人たちに、コンビニのボールペンを向ける意味を。
コスト対効果で言えば、3万円のペンで受注額が変わるなら安いものだ(まあ、ペンだけで受注が取れるとは言わないが)。
普段使いは3000円前後のスタンダードペン。ここをケチる人が多い。「仕事は中身だろう」という反論はわかる。わかるが、毎日使うものに愛着がないと、仕事自体が少しずつ雑になっていく気がする。これは根拠のない持論だ。でも、10年以上営業の現場を見てきた実感としてある。
そして3色フリクション。「消せるペンなんて」と言う人、一度スケジュール帳を見直してほしい。修正テープだらけになっていないか。フリクションで色分けされた手帳は、それだけで「段取りができる人」に見える。赤が締め切りと約束、青が重要事項、黒が通常メモ。後から見返したとき、何が重要かが一目でわかる。
ぶっちゃけ、ペンにこだわる人は他のことにもこだわる
これ、仮説というか確信なのだが。
ペンを使い分けている営業は、たいていスーツの管理も、名刺入れの選び方も、鞄の中身の整理も、細かい。逆もしかりだ。「ペンなんて何でもいい」という人は、靴のかかともすり減ったままだったりする(偏見かもしれない。でも外れたことがない)。
次の商談の前に、一度鞄の中のペンを確認してみてほしい。それだけでいい。
尾藤克之(コラムニスト、著述家、作家)
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■ 採点結果
【基礎点】 39点/50点(テーマ、論理構造、完成度、訴求力)
【技術点】 20点/25点(文章技術、構成技術)
【内容点】 21点/25点(独創性、説得性)
■ 最終スコア 【78点/100点】
■ 評価ランク ★★★ 標準的な良書
■ 評価の根拠
【高評価ポイント】
実体験の説得力:ボールペンの使い分けなどの、営業経験に裏打ちされたエピソードが随所に盛り込まれており、単なる「ノウハウ本」では得られない生々しいリアリティがある。著者が営業の世界で確かな実績を持つことは、これらの記述から十分に伝わってくる。
具体性の高さ:「3万円の高級ボールペン」「3000円のスタンダードペン」「3色フリクション」という明確な価格帯と用途の提示や、スーツのシワ・靴のかかとといった後ろ姿チェックポイントの具体化など、読者がすぐに実践できる粒度で情報が整理されている点は評価できる。
【課題・改善点】
ページ数の過剰感:
著者の経験値と洞察はたしかに豊かだが、250ページに引き伸ばしたことで、全体にだらだら感が生じている。エキスを抽出した200ページ構成であれば、テンポよく読み通せたはずだ。
レイアウトの方向性のズレ:本書は縦書きで組まれた読み物として仕上がっているが、内容の性質はチェックリストや実践項目が並ぶマニュアル的な構造を持っている。「使える営業書」にしたいなら横書きレイアウトの方がしっくりきただろう。
■ 総評
営業一筋で培ってきた著者の実体験は本物であり、ボ他の営業本では読めない固有のエピソードが随所に光る。テーマの普遍性も高く、若手からベテランまで読む価値がある一冊であることは間違いない。ただし、200ページに凝縮すれば十分に伝わる内容を250ページに引き伸ばしたことで、中盤に息切れ感が生じているのは惜しい。
また、チェックリスト的な実践項目が多い構成であるにもかかわらず縦書きレイアウトを採用したことで、「読み物」と「実用書」の間で中途半端な印象を与えてしまっている。著者の経験値はもっと高い評価を受けてしかるべきであり、編集段階での再構成があれば80点台に届いた可能性がある。








コメント
【ティファニーのペレッティ】
26のとき
その時から高級なボールペンを使い始めました。最初はそれをプレゼントされました。
ティファニーのペレッティ。
少し重みがあって普通のノックタッチの文房具のボールペンとは違う高級感。
よくそれでカードのサインをもらう時
ほめられました。
『素敵なボールペン!」
カードにサインをもらう機会が1日の中でほとんどを占めていたので
わりと高額な物を売っていて
文房具のノックタッチでは申し訳くて
ボールペンはティファニーでした。
ペレッティが一番お気に入りでしたがあのTのロゴとブルーのリボンが真ん中にグリップの所についた物も買いましたが
ペレッティのデザインが一番モダンです。