伊藤忠のグループ企業が退職金を廃止したことが話題となっています。
伊藤忠系が退職一時金廃止 後払いから現役重視へ、シニア反発も
「なんでこんなことするんだ」「会社に見放された気がする」「運用前提で言われても困る」。説明会ではシニア社員を中心に感情的な言葉が次々と出てきた。一方、資産運用に熱心な若手社員は「自由に使えるお金が増えてうれしい」と歓迎した。
ちょっと前には王子HDが同様の退職金制度の廃止に踏み切ったというニュースもありましたね。
若いうちの低賃金をキャリアの後半で回収する報酬体系は終身雇用を下支えしてきた。だが、みずほリサーチ&テクノロジーズの竹内誠也シニアコンサルタントは「転職の一般化で若いときに低い給料で働く理由が薄れ、後払い賃金の企業は選ばれにくくなっている」と指摘する。
なぜ、シニア社員は退職金制度の廃止を嫌がってるんでしょうか。
当たり前ですけど廃止されるのはこれから入社する社員が対象で、中高年の退職金はこれまでの勤続年数に応じて退職時に支払われます。
一見すると、中高年にも特に反対する理由は無いように見えますね。
割引率2%台ならインフレや運用を考慮したら全然オッケーでしょう?… https://t.co/uxKpkQCng5
— 田端信太郎 @ 毎朝8時45分から株ライブ! (@tabbata) May 28, 2026
そもそも、なぜ今、一部の日本企業は退職金制度の見直しに舵を切ったんでしょうか。
実は、企業が退職金制度の見直しに着手するのも、シニア社員がそれを嫌がるのも、当然の理由があるんです。

退職金の本質は“人質”
日本ではごく一般的な退職一時金制度ですが、実は世界的に見れば非常にレアな仕組みです。
「退職金があるから日本企業は人に優しい」みたいに漠然と考えている人も多いですが、当たり前ですけど(社会保険料の会社負担分と同様に)そのコストを負担しているのは従業員自身です。
要するに、本来受け取るはずだったお給料の一部を会社に定期預金し、利子を上乗せしてもらって退職時に受け取るようなものなんですね。
だから、本来、退職金は損得なんて関係ない話のはずなんです。
ただし、問題はその“定期預金”に、払い戻しに際して色々と条件が付けられていることなんです。
たとえば一般的な日本企業であれば、以下のような退職金絡みの規定があるはずです。
- 入社〇年以内に自己都合退職した場合は退職金無し
- 長く勤めるほど増えやすい(長く勤めないと減額される)
要するに、自己都合で転職なんてしたら損だぞ、と脅しているようなものですね。特に2番目の亜種で「50歳未満で自己都合退職すると〇割カット」というのがよくあります。
この50歳未満ルールは嫁ブロックと同様、これまで多くの転職希望者の心をへし折ってきたはずです。
筆者の知人でやむを得ない事情(家業の継承)で49歳でJTCを退職した人がいますが、1年違いで退職金が1千万円以上減らされて嘆いてましたね。
余談ですが、多くの企業では50歳以降の自己都合退職に退職金の減額の規定はありません。
要は「50歳以降はいつでも辞めてもらってOK」ということです(苦笑)
さて、退職金制度については、いろいろなメリットを挙げる人がいます。会社と従業員の長期の信頼関係を構築するため、計画性の無い従業員のために退職時に一定の資産を残してあげるためetc……
それぞれ一理はあるんでしょう。でもその本質は、従業員をつなぎとめるための人質だというのが筆者の見方です。
そう考えると「日本企業は人に優しい」どころか、後払い給料を人質にするきわめて非人道的な一面を持つことは明らかでしょう。
そして、この退職金という名の“定期預金”には、もう一つ重要な独自ルールがあります。それは「滅私奉公の度合いにより、払い戻される金額が大きく上下する」ということです。
つまり、シニア社員にとって退職金というのは「それまで引き受けてきた数々の滅私奉公に対する対価」という意味合いを持つわけです。
そんな滅私奉公をまったくやらずに、ただ当然の権利として毎月の給料に上乗せ支給される世代がこれから入社してくる……
一見すると何でもない話にみえるかもしれませんが、それは組織に強烈なインパクトをもたらすでしょう。
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以降、
シニアが退職金廃止を嫌がるワケ
若手が好き勝手やるようになった組織はどうなるか
Q:「AIで日本企業の人員削減余地が大との指摘が出ていますが……」
→A:「既存の組織、人員を見直さず継ぎ足してきたので無駄が多いんですよね」
Q:「『やりたいことがない』という子供をどう諭すべき?」
→A:「インターンをやると『やりたくないこと』は見えてくるでしょう」
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