「愛子天皇」の道を閉ざした立法府と報じない日本のメディアの不思議

中村 仁

安定的な皇位継承を巡る「立法府の総意」が発表され、①女性皇族が結婚後も皇族の身分を保つ②旧宮家の男系男子を養子として皇族に向える案が「了」とされました。

高市首相は「政府としてしっかり受けとめ、早急に法案の作成にとりかかる」と語りました。これで国民的な関心が極めて高く、しかも筋が通っているはずの「愛子天皇」への道筋が消えました。

私は主要な各紙やテレビメディアの報道をみてると、「立法府の総意」の問題点を指摘しながら、憶病なほど「愛子天皇」という表現を避けていることに失望しました。

愛子内親王 宮内庁インスタグラムより

「この方向で制度化されれば、国民的に人気の高い愛子さまの即位の可能性が事実上、消滅」と国民に伝えるのがメディアの役割だと、私は思います。新聞、テレビはオールドメディアを俗称されるようになっています。何に遠慮しているのか、自粛しているのか不思議です。

海外メディアはまともな報道をしている

海外での報道はどうでしょうか。私個人ではフォローできないので、ChatGPTに質問してみました。海外メディアは「国民の多数が支持しているのに、日本はなぜ女性天皇を認めないのか」、「愛子様さまはなぜ天皇になれないのか」という視点の報道が多いとのことです。

AP通信は「愛子さまは皇位につけない」、「女性天皇を認めない決定」と明確に伝えていると、ChatGPTは答えてきました。さらに「日本のメディアは立法府や政権の考え方の説明、問題点の指摘が多く、こうした決定によって何がどうなるかが分かりにくい」とのことです。

日本のネット論壇では、自由な議論が飛び交っています。言論プラットホーム・アゴラ代表の池田信夫氏は「世論の70%が支持、待望する愛子天皇への道を閉ざすために、旧宮家の男系男子を養子として迎えるという案をひねり出した」という主旨の指摘をしています。同感です。

悠仁天皇を断言する立法府の総意

「立法府の総意」では「今上陛下(現在の天皇)から秋篠宮殿下、次世代の悠仁親王殿下という皇位継承の流れをゆるがせにしてはならないことを確認する」とまで言いきっています。男系男子の考え方に加え、悠仁さま(19)、愛子さま(24)の年齢差を考えると、「愛子天皇」の可能性はまず消えました。

自民党保守派は日本会議とか神社本庁の考え方に沿うよう動く。安倍元首相、その後継を自称する高首相もその流れに乗っている。選挙の票にもなる。日本書紀、古事記という神話時代から始まった「神武天皇いらい126代続いた男系による皇位継承」という創作を史実と考えてしまおうという考え方です。国威発揚のためのに作った物語にすぎません。

神話を信じる新聞、学者もいる

新聞社説にもどると、産経は「国に始まりから現代まで途切れることなく続いてきた皇統(男系・父系による継承)を守る上で、(この決定は)歴史的な重要性を帯びている」と唱えています。学者にも「皇室典範第一条は、男子の血統だけで継承する100%の血統原理に立脚している。正当性のないひとを天皇、皇族にすることは天皇制廃絶への道」(産経=憲法学者、八木秀次氏)という人がいます。信仰宗教の類です。

朝日は「養子案には疑問が残る。女性、女系天皇の道を閉ざしている」、読売は「男系男子による継承維持に道筋をつけ、女性・女系の継承をあらかじめ封じようとする意図がある」などと主張しています。神話や伝承を信じ込まない当然の正論です。そこまでいうのなら、「保守派は愛子天皇の実現を必死に阻止しようとしている」と言いきってほしかった。


編集部より:この記事は中村仁氏のnote(2026年6月11日の記事)を転載させていただきました。オリジナルをお読みになりたい方は中村仁氏のnoteをご覧ください。

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