NHK放送文化研究所が発表した国民の生活実態調査の中でテレビの視聴時間が大幅に短くなっているとあります。この研究所は1960年から5年ごとに調査をしており、2025年秋に調査した内容が今回発表されたものであります。
リアルタイムでテレビを15分以上見た人は全年齢層で71%(前回79%)で8%ポイントも下落。特に顕著だったのが若者のテレビ離れで10-15歳が42%(前回56%)、16-19歳が27%(同47%)など、働き盛りの年齢層まで含めても前回と比べ概ね15-20%ポイント下落しており、下落率が一番少なかったのが70歳以上で92%(同95%)となっています。

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年齢が増すとどうしてもテレビを条件反射的につけ、バックグラウンドミュージックのように流している方も多いでしょう。中には耳が遠くなり、住宅街からはかなり高い音量のテレビの音が早朝から聞こえてくることもあります。私の日本の家の周りでもそうです。
興味深いのは10代の若者はテレビをみないと分析できそうな点です。アンケート条件の15分以上の視聴ということは親がつけている番組をチラ見するか、特定の番組、ないし特定のシーンだけを見る状態にあるとみています。これは「テレビのユーチューブ状態」と私は考えています。つまり自分の好きな部分だけを見る時代になったと考えています。
昔はテレビはゴールデンアワーを中心に学校や会社から家に帰ってくると夜寝るまで「生活の伴走者」ともいえる存在でした。その変化は一家に一台から一人一台になり、家族の絆に変化が生じたとされるのが80年代後半ごろだったと思います。
その後、インターネットの普及からストリーミング、動画配信と技術の進歩と選択肢の増大となったのですが、その間に若者の動画視聴は数多くある「自分のやりたいこと」の選択肢の一つに格下げになったのです。つまりこれまでは「視聴する媒体がテレビ、ネット、動画配信などからの選択肢から選ぶ」だったものが、動画視聴そのものがやりたいことの選択肢の一つに置き換わってきているとみています。ゲームやSNS、推し活、さらには夜遅くまで外で活動する方も多いでしょう。午後6時、7時に家に帰るという行動パタンからの変化とも言えます。
ユーチューブ視聴に関しては統計上はまだ視聴時間数が伸びているのですが、私の予想ではそろそろ頭打ちで今後その時間は下がってくるとみています。理由は配信動画の多くは個人の撮影によるところが大きく、番組作りの奥行きに限界があり、飽きてきている人も増えている中、他に代替することを模索しているところではないかと考えています。またコマーシャルも以前に比べ増え、パソコンから離れたところでつけっぱなしにすると時折、異様に長いコマーシャルにうんざりして「スキップボタン」を押しに行かねばならない手間にうんざりするのであります。
ところでこの調査をNHKの調査機関が行っているところが皮肉とも言えます。NHK受信料を徴収するにあたり受信状態にある機械を持っているだけで課金するという考え方が今後も正しいといえるのか、判断が変わってくる公算はあります。裁判などの判決は世の中の諸事情次第で変わってくるものです。もしもテレビが趣味の娯楽の一部でしかない時代が明白に証明されれば受信機を持っているだけで受信料徴収という判断や発想にはならないとみています。
その点ではNHKが現在法律に守られているという殿様意識は変えていかねばならないと思います。それぐらい人々の行動パターンは激変期にあり、それに伴う世の中のルール、規範も変わりやすい時代にあると言えそうです。
では今日はこのぐらいで。
編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2026年6月22日の記事より転載させていただきました。







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