世田谷区議会本会議で、昨今、全国各地でトラブルになっているイスラム教徒(ムスリム)の土葬問題について、保坂区長に質しました。
全国で起きているムスリムの土葬トラブル
ご存知のように、イスラム教徒は宗教上の理由によって火葬ができないことから、日本各地で土葬を求める声が挙がっています。これを受けた宮城県知事が、県内に土葬用墓地を整備する検討を行う方針を打ち出したものの、県民、住民を中心に強い反対の声が巻き起こり、撤回に追い込まれました。
また、大分県日出町でも、ムスリム団体による大規模な土葬の墓地計画が持ち上がり、住民が地下水の汚染や農業への風評被害を懸念し、反対運動が起きました。町長選で反対派候補が当選したことから、墓地用の町有地の売却は行わない決定となっています。

世田谷区で土葬は可能なのか?
翻って、わが世田谷区においても、イスラム教を国教とするパキスタンやバングラデシュなど、主要10ヵ国出身のイスラム教徒は、推計ですが、2023年時点で少なくとも約1500人が生活していると考えられます。2026年現在ではさらに増加していることでしょう。今後、世田谷区においても埋葬法などを巡って、何らかのトラブルが生じないという保証はありません。
令和5年にはお隣の大田区で、イスラム教徒が土葬をめぐって大森警察署に押しかけるという事件が発生したとの動画が、YouTube上で拡散され、大田区議会でも取り上げられました。
そこで、世田谷区に土葬の埋葬許可の申請が出された場合、どのように対応しているのか。また、過去に実際に埋葬を許可した例はあるのか、確認しました。
土葬の許可申請が区役所に提出されると、死亡人の本籍地か死亡した場所が世田谷区であること。あるいは、届出人の住所が世田谷区であれば、受け付けています。
さらに、世田谷区内に土葬が認められる墓地は存在しないので、区外に埋葬先が確保できているかどうか、さらに埋葬先の自治体にそれが可能かどうかを確認してから許可証を発行しているとのことでした。過去5年では3件許可した例があります。
世田谷区長の判断で土葬は可能
しかし、世田谷区の条例と施行規則では、区内全域を土葬禁止地域と定めているものの、「区長が公衆衛生その他公共の福祉の見地から支障がないと認めて許可した場合は、この限りではない。」と書いてあり、区長の判断次第では、土葬が可能なのです。
そこで、区長が判断するケースとは具体的にどういう場合かと問うと、「①大規模災害時」「②宗教上の理由」の2ケースとのことでした。
①は東日本大震災の例を思い起こしてもわかりますが、遺体の火葬が間に合わないときです。②は多文化共生を強力に推し進める世田谷区としては、イスラム教徒が希望して、区長が許可すれば認められるという建て付けになっています。
保坂区長は「仮定の質問に答えるのは困難」と逃げの答弁
ひえしまは、保坂区長に「土葬はイスラム教徒にとって切実な問題であり、多文化共生を金看板にしている世田谷区長は、希望があれば許可するということでよろしいか」と質したところ、「仮定の質問に答えるのは困難」と答弁しました。
いやはや、なんて不誠実なのでしょう! 保坂区長の政治信条であれば、「多文化共生を進める世田谷区ですから、当然、認めることになります」と言わなければならないところではないでしょうか。
「多文化共生」を声高に叫ぶのは簡単です。事実、世田谷区はイスラム文化を学ぶための講座も実施しています。

世田谷国際交流センターが実施した「イスラム講座」
しかし、そう言うのであれば、自治体はそこに住まう異文化の人たちの生死も、当然のことながら尊重しなければなりません。とくにイスラム教徒を巡っては、学校でのハラル(ハラール)給食の提供という問題もあります。ムスリム人口が各地で増加しているなかで、自治体の曖昧な態度こそ、トラブルの原因です。引き続き、区議会で問題提起して参ります。







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