英国のスターマー首相が実質的に引きずりおろされました。エプスタイン問題に絡んだマンデルソン全駐米大使任命責任や地方統一選挙での与党大敗など複合的要因があり、支持率が低迷しいつ辞任してもおかしくない状態でした。そこに下野していたものの次期首相候補として下馬評の高かったアンディ バーナム氏を議員に「再昇格」させるために実質的に議席を譲られた形で行われた先週の補欠選挙が思惑通りとなり、スターマー氏は週末に家族会議をして辞任を決意しました。
同じ労働党で党首が変わるだけですが、中身は大きく変わる可能性があります。バーナム氏が当選した暁には「大きな政府」を標榜しており、財政規律重視派のリーブス財務大臣を再起用しない方針と伝えられ、英国の国債や英国ポンドが売られやすい状況になっています。つまり今の予想が正しいならば英国はより政権運営をより左に舵を切ることになります。
左と右、保守とリベラルにかかわらず、世界は揺れている、そう感じます。民主主義に対する解釈とその長所短所が政治によって巧みにテーマ化され、世論が動く、そんな風に感じます。
産経に「韓国若者の『右傾化』と受験戦争 『親より貧しい世代』が重視する価値」という記事があります。韓国は現在は革新系が与党でありますが、20代に限って言えば保守が強まっているという趣旨の記事です。先の地方統一戦でソウル市長選を制したのは保守系で5選となるも大接戦で、いかにも18-29歳の75.3%が保守系候補に投票したことが勝利に貢献したという内容です。ただ、私には右傾化というより「現状不満」であり、誰に対しても文句を言う、そんな社会が年齢層ごとに分断化しているのだとみています。つまり右も左も関係なし、思想的背景もなく、単に今が満足できないから「現状反対!」なのではないかと感じます。
国の指導者は選ばれたときが支持率の天井。その後は確実に落ちる、これはほぼ常識だとみています。もちろん、過去には支持率を回復した指導者も数多くいますが、世の中の急激な変化で世論は「我慢できない時代」にあるとみています。一旦「嫌だ」と思ったらとことん嫌になり、自分の思いがかなうまで徹底的に責める、これが世界でほぼ共通した傾向にあるとみています。
仮に政権交代が出来なければ同一政党のトップ交代でもよいのです。仮定の話をするとアメリカでトランプ氏嫌いが増えていますが、野党民主党で対抗馬の話は全く聞こえてきません。次の大統領選で共和党候補が注目されますが、現状、J D バンス氏とマルコ ルビオ氏が水面下での争いとされます。バンス氏はトランプ氏に似た性格なので、反トランプ派が増えれば、ルビオ氏が世論受けしやすいとみています。つまり世論は今とは違うものを求めるという発想です。(あくまでも比喩的な意味合いですので将来ルビオ氏になるという話ではありません。)
高市氏については各メディアが世論調査を毎月やっており、一定のばらつきがありますが、トレンドとしてはゆっくり下落している状況にあります。あくまでも私の個人的予想ですが、秋に支持率を大きく下げるとみています。理由は政策というより高市氏の個性にあります。週刊誌報道に対する高市氏の答弁を聞いていると怒りをぎりぎりで抑えながら答弁するも、感情が出きってしまっているのです。野党の作戦であり、高市氏が一番弱い部分でもあるのですが、ややヒステリックになった時の高市氏を世論は見ているのです。ではなぜ秋かと言えば、食品消費税は「公約通り」に着地しない公算が高くなってきたからです。

高市首相 自民党HPより
「1%ではだめなんです、公約通りの0%でなくてはいけないのです。」
しかし、これは単に引き金であって円安問題とか、対中国外交も再び話題に出てくるでしょう。とはいえ、自民党は層が厚いと思います。これも私見ですが、次の総理は小泉さんへの支持が増えるとみています。なぜか、といえばあの歯切れの良さ、説得力あるしゃべり、行動力、強い意志、明らかに成長しています。総裁選を戦い、負けた高市氏の下で高市氏を立てながら要職の1つである防衛大臣で大きく足跡を残しています。現状、ライバルの小林氏と3歩も4歩も差をつけたと思います。
どの国も政治に一定の期待はするし、公約は耳障りが良いものとして聞きます。ですが、世論は時としてそれ以上のものを求めているのです。
株式投資をする人はわかると思いますが、決算発表の時、会社やアナリスト予想に届かなければストップ安は当たり前で事前予想をどれだけ上回るか、それが世論の評価の全てなのです。だから食品消費税も1%ではだめで世論が暗に求めているのは恒久的な0%なのです。だけど高市氏は今の時点では逆立ちしてもそこには踏み込めない、だから支持率は下がる、これが私のロジックです。
言い換えると世論はとてもわがままで満足度の追求欲が高い、とも言えます。そんなの、どんな政治家がやっても達成不可能であり、それ故に民主主義国家では短命の国家元首が増えてきているとも言えるのでしょう。
では今日はこのぐらいで。
編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2026年6月25日の記事より転載させていただきました。







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