姫路に行ったから出会えたソウルフード「タコピィ」

内藤 忍

旅とは不思議なものです。どれだけネットで情報が得られるようになっても実際に行ってみないとその土地のリアル姿がわからないのです。例えば、地元のローカルフードはその典型です。

全国的に知られている高級店ではなく、地元の人しか知らない飲食店は現地で実際に食べてみて初めてその価値を実感できるのです。

今週、たまたま兵庫県姫路市を訪れた際、姫路駅の地下街にある「タコピィ」というお店の明石焼き風たこ焼きを食べる機会がありました。

こちらのお店はやや寂れた昭和レトロな雰囲気で、一見全国どこにでもある駅の地下街のフードコートのファストフードです。タコピイというゆるいネーミングから普通のたこ焼きのお店だと思っていました。

店内では地元の人たちが明石焼きや焼きそばを食べていますが若者は少なくシニアの人たちが目立つのも地方都市ならではの風景です。

しかしここで驚くのは明石焼きの食べ方です。通常の明石焼きのように上品な出汁に浸して食べるのではなく、まずソースを満遍なく塗り、それをそのまま薄味の出汁にドボッと浸して食べるのです。

実際に真似して食べてみると、ソースの濃厚なコクと酸味が出汁のほのかな旨味と調和して何とも病みつきな味になります。

フワフワの卵焼きのような明石焼きの食感とたこ焼きのこってりとした濃厚なソースが味わえる。2つのいいとこ取りのような食べ物でした。

これが姫路のソウルフードのようです。

食というのは幼少期の経験が大きく影響します。子供の頃食べたものは、大人になってもなかなか忘れられないものです。

姫路に生まれた人たちは、親に連れられてタコピイに出掛けその味を覚える。そして、大人になってからも思い出したように、同じ味を求めてお店に来てしまう。そんな地元の文化が、このような独特の食べ方を生み出しているのだと想像しました。

名古屋の味噌煮込みうどんや横浜のサンマー麺のような全国的に知れ渡っている地元のソウルフードは少なくありません。

しかし、全国各地には姫路のタコピィのような地元の人しか知らないようなローカルな食べ物が、まだまだあちこちに眠っているはずです。

私も旅行好きであちこち出かけている方だと思いますが未だに知らない日本がたくさんあります。

大阪や京都といった有名な観光地も魅力的ですが、滅多に行かないような地方の街を訪ねていくことで、今まで気が付かなかったローカルで魅力的な食文化にもっともっと出会いたいと思いました。

winhorse/iStock


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2026年6月29日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

アバター画像
資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。

コメント投稿をご希望の方は、投稿者登録フォームより登録ください。

コメント