【全東信破産の裏側】
20年前から「粉飾」か、600億円超の債務超過TSRの取材で、(株)全東信は業績悪化を隠すために、多額の預金の架空計上に手を染めていた実態がみえてきた
こうした粉飾は、少なくとも20年前から続いていたようだ… pic.twitter.com/6Wxn1myDQE
— 東京商工リサーチ[TSR]公式 (@TSR_NEWS) July 8, 2026
先日、クレジットカード売上の早期決済代行を手がける株式会社全東信が、大阪地裁より破産手続開始の決定を受けました。破産申請時点の負債総額は約1,151億円。決済代行業界としては国内過去最大の破綻です。
報道によれば、同社は少なくとも20年前から組織的な粉飾決算に手を染めていたとされます。架空預金や架空債権の計上で資産を水増しする一方、加盟店に精算すべき売上代金約217億円を簿外債務として隠していたとのことです。
この217億円は、全国2万店を超える加盟店の売上代金そのものです。その多くは中小・零細の飲食店やサービス事業者であり、突然の入金停止で当座の運転資金を失い、連鎖倒産の危機に直面しかねません。
同時に、全東信に多額の融資をしていた地方金融機関でも焦げ付きが相次いでおり、地域の信用秩序への影響も懸念されます。
自らに何ら落ち度のない事業者が、粉飾という一方的な加害によって売上を奪われる。これは、救済されるべき被害です。

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こうした被害に対しては、既存の制度でも打てる手があります。
取引先の破綻に伴う連鎖倒産を防ぐためのセーフティネット保証、日本政策金融公庫のセーフティネット貸付、経営セーフティ共済、そして納税の猶予。
当座をしのぐ資金を、低利・無担保で迅速に届ける枠組みは、すでに用意されています。あとは、これをいかに速く、取りこぼしなく被害事業者に行き渡らせるかです。
同時に、再発防止の論点も避けて通れません。今回の被害の根本には、資金決済法では義務づけられている顧客資金の保全が、クレジットカード決済代行業者には課されていないという制度の非対称があります。
加盟店に精算される前の売上プール金を、業者が自己資金と混ぜて管理できてしまう。この構造にどう手を入れるかは、今後しっかり議論されるべきテーマだと考えています。
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そのうえで、私がこの問題を考える中でとりわけ気になっている論点があります。救済の対象から、業種によって取りこぼしを出してはならない、という点です。
加盟店の中には、風営法上の接待飲食等営業──いわゆる社交飲食業も相当数含まれると見られます。かつてこうした業態は、信用保証協会の保証対象から一律に外されていました。
しかし令和2年5月、この扱いは見直され、風営法の許可を受けた接待飲食業(公序良俗に反するなど社会的批判を受けるおそれのあるものを除く)は、原則として信用保証の対象に含まれることになりました。
性風俗関連特殊営業は引き続き対象外ですが、キャバクラやクラブといった社交飲食業は、制度上すでに救済の枠内にあります。
つまり、業種ゆえの排除という壁は、5年前に一度乗り越えられているのです。
にもかかわらず、仮に窓口の運用や古い認識が残っていれば、被害者が救済からこぼれ落ちる余地は残ります。取引先の破綻という、本人に何の帰責性もない外因的な被害に、業種による分け隔ては要りません。
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正確を期すために付言すれば、公庫融資など制度ごとに取扱いが分かれる部分は残り、個別の判断で対象外となる場合もあります。
それでも、原則の方向性は明確です。売上を奪われた側に、業種の別はありません。
被害の規模を考えれば、対応のスピードがすべてです。一店でも多くの事業者が、当座を越えて事業を続けられるよう、注視してまいります。
編集部より:この記事は、前参議院議員・音喜多駿氏のブログ2026年7月8日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は音喜多駿ブログをご覧ください。







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