「預金15万円」は本当なのか
沖縄県の玉城デニー知事をめぐり、「預金残高がわずか15万円しかない」との情報が注目を集めている。
その辺の一般家庭ですらもうちょいあるやろ pic.twitter.com/USFCrJ68B7
— 東郷ゆう子の旦那 (@togootto) July 14, 2026
知事選への立候補には300万円の供託金が必要なため、「その資金はどこから出たのか」「生活費を政治資金で賄っているのではないか」と疑問を持つ人もいるようだ。しかし、この「15万円」という数字だけを見て、玉城氏の全財産が15万円だったと考えるのは正確ではない。
問題の数字は、2018年9月30日時点の資産について、2019年3月に公表された報告書に記載された定期預金15万2347円を指す。報告書では、自宅の土地と建物を含む資産総額は約628万円だった。さらに重要なのは、資産公開制度では当座預金と普通預金が報告対象から除外されていることだ。つまり、日常的に使う銀行口座にいくら入っていたかは、この報告書からは分からない。
2022年の知事選後に公表された資産総額も約656万円で、自宅の土地・建物などが含まれている。「全財産が15万円」という話ではない。
供託金は選挙費用報告の対象外
知事選の供託金が300万円であることは事実だ。ただし供託金は、ポスター代や人件費などの選挙運動費用とは性格が異なり、選挙運動費用収支報告書には算入されない。一定以上の得票があれば、当落にかかわらず返還される。
したがって、選挙運動費用の報告書を見ても、供託金をどの口座から準備したのかまでは確認できない。普通預金が資産公開の対象外である以上、公開資料だけを根拠に「供託金を用意できるはずがない」と結論づけることもできない。
不正会計を疑う根拠にはならない
玉城氏の後援会をめぐっては、2022年分の政治資金収支報告書で寄付金の不記載などが判明し、訂正された例がある。政治資金の管理について厳しいチェックが必要なのは当然だ。
だが、「定期預金が15万円だった」という事実だけから、生活費を政治資金で賄っていた、あるいは不正会計が行われたと推測することには無理がある。現時点で、それを裏付ける具体的な支出記録や証拠は確認されていない。
むしろ問題なのは、普通預金を公開対象外とする現在の資産公開制度である。これでは政治家が生活資金をどれだけ保有しているのか分からず、かえって不必要な疑念を招く。
玉城知事も、選挙を前に疑念が広がっている以上、制度上の義務を満たしたというだけで済ませず、供託金や選挙資金の仕組みを丁寧に説明すべきだろう。ただし、疑問を持つことと、証拠もなく「不正」と決めつけることは別問題である。批判する側にも、数字の意味を正確に読む姿勢が求められる。一方で、玉木知事も今までの経緯から自身のあらゆる言動に疑念の目が向けられていると自覚すべきだろう。まさに李下に冠を正さずである。

琉球朝日放送2019年3月11日より







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