黒坂岳央です。
Appleの値上げラッシュがついにiPhoneにも及んだ。自分は6月に「これからiPhoneは値上げする」と書いていたが、悪い予想が的中してしまった。

iPhone17は12万9800円から14万2800円へ、Pro Maxは19万4800円から21万4800円へ。前シリーズの16も値上げされ、値上げ対象から逃げ場はなくなった。
この状況で読者から寄せられる質問はほぼ一つに集約される。今すぐ17を買うべきか、それとも秋のiPhone18を待つべきかだ。
結論から言えば、待つ理由はない。iPhoneの購入を検討している人は今すぐ17を買うべきだと考える。その根拠を述べる。

iPhone17 PRO
Apple HPより
値上げの原因が変わった
6月のMac、iPad、Apple TVなどの値上げは、AIデータセンター需要によるメモリ価格高騰が原因だった。これは世界共通の部材コスト増であり、海外のApple Storeでも同様に値上げされている。
だが今回のiPhone値上げは違う。海外のApple Storeでは価格改定が行われておらず、日本国内のみの値上げだ。つまり原因は部材ではなく為替、円安修正である。
この違いは決定的だ。部材高騰なら「供給が正常化すれば価格は落ち着く」という期待も持てる。しかし為替は構造的トレンドであり、日米の金利差が縮小しない限り円安圧力は継続する。しかもまだメモリ高騰に連動する値上げリスクが残っている。
「為替は円高に振れるかもしれないから待つ」という考え方も一見合理的に見えるが、これは期待値計算をしていない。
円安が進めば、Appleは今回のように速やかに、かつ確実に価格へ転嫁する。一方で円高に振れた場合でも、Appleが店頭価格を即座に引き下げることはない。実際、為替介入で一時的に円高になった時も緊急値下げはなかった。
つまり為替が動いた場合、円安方向の悪影響はそのまま消費者に降りかかり、円高方向の恩恵はほとんど還元されない。これは待つ側に有利な賭けではない。
機能進化は値上げ幅に見合わない
新型を待つ根拠としてよくあるのが「18には新機能があるから」という期待だ。だが過去の進化を振り返ると、この期待はかなり怪しい。
iPhone15の目玉はUSB-C移行だった。これは大きな変化であり、筆者も利便性を求めて15をすぐ買った。だが16はカメラコントロールボタンとApple Intelligence対応、17はディスプレイ輝度向上とバッテリー持続時間の延長、そしてnanoSIM廃止によるeSIM専用化にとどまる。自分は17Proを使っているが、正直15との間違い探しをしてあまり変化を感じない。
もうスマホの進化は一定の頭打ちであり、「あれば便利」レベルの改善が続いているだけ。「なければ困る」変更は起きていない。それに対して値上げ幅は今回だけで最大2万円に達している。機能の限界効用は年々小さくなっているのに、価格上昇の傾きは急になっている。この逆行が続く限り、新型を待つことの合理性は薄れる一方だ。
◇
型落ちを待って安く買うという戦略が機能したのは、値上げが一過性の部材ショックだった過去の話だ。今回は為替という継続的な構造要因が値上げを牽引しており、待てば待つほど不利になる可能性の方が高い。
18の新機能に強い興味がある人以外は、今月中に17を買っておくのが最も合理的なリスクヘッジになる。
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