FIREして海外移住した人が帰国して働き始める理由

内藤 忍

せっかくFIRE(ファイア)を達成して海外移住したものの数年で日本に舞い戻り、再び働き始める人が少なくないようです。ちなみにFIREとは、Financial Independence(経済的自立)とRetire Early(早期退職)の頭文字をとった言葉です。若いうちに十分な資産を築き、仕事から自由になるライフスタイルを指します。

FIREをやめて帰国する背景には、為替や物価の変動といった外部環境の変化もあります。円安になれば日本円の資産価値が下落しますし、インフレになれば保有している預貯金の実質的価値も下落します。

しかし、それよりもっと本質的な理由は「資産を取り崩して生活する」というライフプランにそもそも無理があるからです。

FIREした人はそれまでに築いたまとまった資産を使って、その後の生活をやりくりしていくことになります。例えば、1億円の資産があれば、何も資産運用しなくても年間500万円使って20年間は資金が枯渇しない計算になります。

資産運用を併用して資産を増やすことができれば、さらに長い期間の生活費を賄うことができます。

しかし、いずれにしても1億円あった資産がジリジリと目減りしていくことになります。その現実を受け入れられる人は多くはありません。リタイアして定期的な労働収入が途絶えると、これは想像以上の精神的ストレスとなります。

収入がゼロの状態で資産が減り続ける恐怖はシミュレーションを重ねて理屈では納得していても、実際に直面すると耐え難いものなのです。

この「目減りする恐怖」から逃れたい一心で、本来やるべきではなかった行動に走る人もいます。

しかし焦って不要な投資や事業に手を出してもうまくいく人は多くはありません。更に資産を減らす自滅パターンに陥りがちです。

致命的な痛手を負った人たちが退路を断たれて日本に帰国せざるを得なくなるという訳です。

このような失敗の罠に陥らなかったとしても「減っていく資産を予定通りに使い続ける」というのは簡単ではありません。強靭なメンタルと徹底した規律が求められます。

平均寿命の伸びによる長生きリスクとインフレによる資産価値の下落によってFIREのハードルはさらに高くなっています。

私は「お金の専門家」がライプランと称して提唱しているリタイア後の資産取り崩しシナリオには現実性がないと考えています。

FIREに限らずリタイア後のお金に関しては、米びつに入ったお米を少しずつ食べていくような方法ではなく、井戸から水が溢れるようなキャッシュフローの構築を考えるべきです。

そのための切り札は毎月家賃が得られる不動産です。明日開催するこちらの無料セミナーでその具体的方法を伝授します。


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2026年7月28日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。

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