28日午後4時27分ごろ、熊本県熊本地方を震源とする大規模な地震が発生し、宇城市と氷川町で震度7を観測した。熊本市南区、八代市、宇土市、美里町、益城町でも震度6強を観測するなど、九州の広い範囲が激しい揺れに襲われた。
地震の規模を示すマグニチュード(M)は7.1。気象庁は当初、震源の深さを約10kmとしていたが、その後、暫定値を約16kmに更新した。また、一連の地震活動を「令和8年熊本地震」と命名した。国内で震度7が観測されたのは、2024年1月の能登半島地震以来となる。
八代市で死亡確認、各地で救助活動
被害の全容はまだ明らかになっていないが、時間の経過とともに深刻な人的被害が判明しつつある。
熊本県警などによると、八代市では倒壊した住宅から救出され病院に搬送された1人の死亡が確認された。また、宇城市では住宅1棟が倒壊し、1人が取り残されているとみられ、救出作業が続いている。済生会熊本病院には約50人の負傷者が搬送され、氷川町の医療機関でも80人以上のけが人への対応が行われている。
なかでも被害が深刻なのが、震度5強以上と推定される嘉島町の「イオンモール熊本」だ。地震後に爆発が発生し、建物の2階部分が崩落。消防や警察による救助活動が続いている。
共同通信によると、従業員ら20~30人の安否が分からないとの情報があり、テレビ朝日は警察関係者の情報として、施設内で少なくとも数人の死亡が確認されたと報じている。ただし、死傷者数については現段階で政府や自治体による集計がまとまっておらず、今後大きく変わる可能性がある。
日本製紙八代工場でも複数が安否不明
八代市にある日本製紙八代工場でも大きな被害が発生した。
工場では煙突が折れるなどして建物が損壊。消防庁によると、8人程度の要救助者がいるとされ、複数の人の安否が分からなくなっている。警察や消防が夜を徹して救出作業を続けている。
宇城市や氷川町、八代市では住宅の倒壊も相次いでいる。氷川町では少なくとも5~6棟の倒壊が確認され、宇城市でも屋根が地面近くまで押しつぶされた住宅などが確認されている。余震が続いているため、救助活動そのものが難航するケースも出ている。
熊本城の石垣27カ所崩落、道路や鉄道にも被害
文化財や交通インフラにも被害が広がっている。
熊本市によると、熊本城では石垣が27カ所で崩落し、天守閣を含む3カ所が破損したとみられている。来場者や職員のけがは確認されていない。
八代市では道路の浮き上がりや橋の損傷が発生。南九州自動車道では橋梁の損傷やずれが確認され、九州自動車道を含む広い区間で通行止めとなった。八代駅では機関車などが脱線、横転する被害も確認されている。
約4万7000戸が停電、1万戸以上で断水
ライフラインへの打撃も深刻だ。
九州電力によると、28日午後8時時点で12市町の計4万7210戸が停電。熊本県によると、午後6時時点で氷川町や八代市の一部を中心に約1万500戸が断水している。熊本市南区と東区の一部では約500戸で都市ガスの供給も停止された。
医療機関への影響も大きい。厚生労働省によると、午後9時45分時点で県内46医療機関に断水や停電などの被害が発生。八代市だけで15施設、宇城市で10施設が被災しており、医療機能への影響が懸念されている。
余震100回、気象庁「今後1週間は震度7程度に注意」
地震直後には有明・八代海に高さ1mの津波を想定した津波注意報が発表されたが、その後解除された。
一方、地震活動は依然として活発だ。午後10時50分までに震度1以上の余震は100回に達した。気象庁は、2016年の熊本地震では最初に震度7を観測した約28時間後に、さらに大きな地震が発生したことを踏まえ、「今後1週間、特に2~3日程度は最大震度7程度の地震に注意してほしい」と呼びかけている。
熊本は2016年の大地震から10年を経て、再び震度7の激震に襲われた。今回は人口の多い市街地や大型商業施設、工場、病院、道路など広範な場所で被害が確認されている。
夜間に入り、倒壊した建物内部での捜索・救助はさらに困難になる。現段階の死傷者数はあくまで途中経過であり、最大の焦点は、取り残された人々をどこまで迅速に救出できるかに移っている。

熊本県熊本地方を震源とする地震について会見する高市首相 首相官邸HPより







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