日本企業の第1四半期の決算発表も8割方終わりつつありますが、概ね好調と言ってもよく、経常利益は前年同月比で25%の上昇となっています。円安に伴う輸出企業の利益増加と思われるかもしれませんが、輸出企業と内需関連企業で経常利益の貢献率を見るとざっくり輸出企業の60%に対して内需が40%となっています。また金利上昇に伴う金融機関の利益が莫大になっており、業種全般に好調を維持していると言えます。
日本経済を見れば絶好調とまでは言わないまでもバブル経済以降、最も輝いている時代に入っているとみています。

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その複合的理由を考えてみます。
① 円安要因 輸出企業にはメリットありますが、資源輸入に頼る部分はマイナス要因です。それでも絶対値として伸びたのは内需のパイの大きさに対して世界市場がはるかに大きいからでしょう。極端な話、円安で内需を犠牲にしてでも外需を伸ばす方が相対的にはプラスという話です。
② 金利上昇要因 これで金融機関の利益が爆上げしたこともありますが、一部の高齢者層にとって銀行預金がつく時代が戻ってきた意味も大きいと思います。例えば高齢の富裕者層で株式投資をしている人は8-9割とされますが、高齢者全般で見ると株式投資をしているのは1/3程度だけなのです。つまり、一定額の貯蓄を持っているとされる多くの高齢者はさほど株式投資をしているわけではなく、手堅い生活をしているので、定期預金金利などが上がることで消費に回りやすい心理を作ると言えます。
③ 賃金上昇 働く世代には非常にありがたい状況がこの4-5年続いており、労賃は上がってきたと思います。私の日本の会社でも労賃の基準値はこの6-7年で4割ぐらい上がっています。いや、上げないと人が来ないとも言えます。労賃も平均で見ると上昇率は3%程度に収まりますが、人が足りない職種では年5-10%ぐらい上げないと魅力的に映らないのです。
④ 旺盛な外国人の需要 バンクーバーから東京便、現在は1日5便飛んでいると言ったらびっくりする方もいるでしょう。それでも席はひと月前だとほぼ取れません。その大半はカナダ人。乗客は若い人からシニアまでさまざまで彼らはお金を使うことを楽しみにしています。私の経営する東京のシェアハウスとアパート。入居者の2/3は外国人。その7割は欧州人。フランス人も何人かいますが、彼女らは何しに日本へ、と聞けば、「フランスなんて住んでられないわ。日本語勉強してずっと日本にいたい!」と。今や外国人は長期、短期滞在問わずでやってきます。その本質は平和で安全、丁寧で笑顔がある国なのです。日本が圧倒的に人気がある理由であり、これは当分変わらないでしょう。
⑤ AIのトリクルダウン トリクルダウンは経済理論の一つでありますが、言葉の意味は「しずくが落ちる」です。AIがもたらした経済の波及効果は極めて大きく、一般企業がAI導入に動くことで企業の投資促進が進み、業務の効率化も進みます。私は効率化と共に企業経営の構造的変化をもたらすのではないか、と考えています。それは人材の再配置で「必要なところに必要な人材を、効率化できるところにAIを」であります。これはやり方によっては企業に莫大な利益体質をもたらすことも可能になるでしょう。
⑥ M&A、事業継承の増大 PBR1倍割れ問題は企業に経営判断を迫ったと言えます。その改善のためにノンコア部門の売却に動くなど事業再編が進んでいることがあります。もう1つは中小企業の経営者に事業継承者がおらず売却するケースが継続しており、社会全体がレッド―シャンから引き締まった体質に向かう第1歩目か第2歩目ぐらいを歩み出していることがあります。
他にもいろいろ理由はあるかと思いますが、書き出せばきりがないのでこれぐらいにしておきます。大事なのはお金が回り始めると乗数効果が生まれ、世の中がばら色になりやすくなるのです。また金利や投資利回りの上昇は企業や個人の資産が加速度的に増えるのです。
「72の法則」をご存じでしょうか?これは元本が2倍になるのにかかる年数を計算するものです。例えば金利2%なら36年ですが、金利3%なら24年です。つまり健全な物価上昇による金利や投資リターン率の上昇は皆さんの懐が2倍になるスピードが圧倒的に早くなるのです。よって現在のインフレをそんなに嘆いてはいけないのです。応分の賃金上昇を伴うように政府が頑張れば日本全体の富がかさ上げされることになるのです。
私が見る限り日本経済は悪くないようですし、当面この傾向は続くのではないかと思います。もしかしたら世界の中でも勝ち組に入る可能性もあるかと思います。期待したいところですね。
では今日はこのぐらいで。
編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2026年8月7日の記事より転載させていただきました。






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