歌舞伎の中村小三郎さん「ひき逃げ」で書類送検:車で女性にぶつかり逃げる

西川祐二郎

歌舞伎俳優の中村小三郎さん(77、本名・加藤廣文)が、東京都新宿区の路上で乗用車を運転中、歩行者の20代女性にけがをさせて立ち去ったとして、警視庁は8月7日、ひき逃げの疑いで書類送検し、検察に起訴を求める「厳重処分」の意見を付けた。

中村小三郎(歌舞伎俳優名鑑)

女性が呼び止めるも立ち去った疑い

事故が起きたのは7月9日、東京・新宿区下落合の路上だった。報道によると、中村さんは乗用車を運転中、前方を歩いていた20代女性に接触。女性は左足首などに軽いけがを負った。女性が車を呼び止めたものの、中村さんはそのまま現場を離れた疑いが持たれている。

任意の事情聴取に対し、中村さんは、女性と接触したことは認識していた一方、「当たったが、けがをするほどとは思わなかった」などと説明しているという。

交通事故を起こした運転者には、負傷者を救護し、警察に事故を報告することが求められる。けがの程度を運転者自身が判断して現場を離れることは許されず、接触を認識していたとの説明と、その後の行動が今後の捜査の焦点となる。

中村屋を支えてきたベテラン俳優

中村さんは1949年生まれ。1974年に国立劇場第2期歌舞伎俳優研修を修了し、十七代目中村勘三郎に入門した。2008年に初代中村小三郎を名乗り、名題に昇進。中村屋の一門を長年支えてきたベテラン俳優として知られる。

2018年には重要無形文化財「歌舞伎」の保持者として総合認定を受け、伝統歌舞伎保存会の会員となった。伝統芸能の世界で長く活動してきた俳優の書類送検だけに、歌舞伎界にも波紋が広がりそうだ。

ただし、書類送検は有罪を意味するものではない。今後、検察が証拠や事故後の状況などを調べ、起訴するか不起訴とするかを判断する。

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