
7月末から、あの人気ドラマ『VIVANT』が始まりました。
私は夜早く寝るので、翌日TVerでVIVANTを夢中になって見ているのですが、番組の合間に流れるCMで、ふと気がつきました。
私の地元にあるメモリアルホール(いわゆる葬儀屋さん)のCMが流れてきたのです。超ローカルCMです。最初のリアクションは…
「うわッ。なぜお葬式のCM?」
でした。
なにしろ、超人気番組のVIVANTのCMです。
普通ならば、大企業でもないとCM枠は買えません。
それなのに、地元でしかも葬儀屋さんという、超ニッチで超ローカル、かつ、どちらかと言うと一般には嫌がられがちなCM(失礼)が流れているのです。
そこで気が付きました。
「これがTVerの強みなのか!」
実はTVerは、広告メディアとして、従来のテレビ広告から大きく進化したのです。こんな感じです。
- 対象は、番組の視聴者全体
- 到達範囲は、非常に広い
- CM予算は、数百万〜数億円
- 効果測定は難しい。基本、流しっぱなし→「ザックリ、これだけの人数にリーチした」という結果把握
- 録画されるとCMはスキップされて見てくれない
世の中で幅広く認知を獲得したい場合、テレビCMは有効な手段ですが、ターゲッティング、予算規模、効果測定の面では、ネット広告と比べて大きく見劣りしていました。
ですので「コカコーラ」とか「トヨタ」といった大企業のCMが定番でした。
TVerになってこれが大きく変わりました。
TVerを使い始める時、年齢、性別、郵便番号、メールアドレス等を登録させられますよね。あれがカギなのです。
- 対象は、個人単位
- 到達範囲は、ユーザーが登録した際のプロフィール属性(年齢、性別、地域、興味関心、番組ジャンル)ごとに指定可能
- CM予算は、小額から可能
- 効果測定が可能。プロフィールの属性ごとに、到達結果、クリックなどの反応が把握できる
- CMがスキップできないので、見てしまう
私がVIVANTで、このCMを見たのも…
- 私の住所(郵便番号で把握→「当社がカバーできる地域だ」)
- 私の年齢(生年月日で把握→「この年齢層なら、ニーズがあるかも」)
…と私がターゲティングされ、地元の葬儀屋さんがリーズナブルな予算をかけて配信した結果なのでしょう。
そして、私がこのCMを見た結果はリアルタイムで集計され、確認されているはずです。
電通の調査※1)によると、2025年のテレビメディア広告費は17,556億円。2023年から2年間で23.7%から21.8%へと下がっています。相変わらず巨大ですが、従来のテレビCMは縮小しつつあります。
一方でTVerのような「テレビメディア関連動画広告」は、2023年は443億円でしたが、2025年は805億円。規模はまだまだ小さいですが、2023年から2年間で0.6%から1.0%へと急速に上がっています。
テレビCMというと「自分のビジネスとは全く無関係」と思いがちです。まして「中小企業が、あのVIVANTにCMを出す」なんて、一昔前では考えられませんでした。
しかしいまやテレビCMは、小さな会社でも十分に活用できる広告メディアとして、身近なものになっています。ビジネスではこうしたトレンドを把握しておくことも必要ではないかと思います。
【参考情報】
※1)『2025年 日本の広告費』 電通、2026.3.5
編集部より:この記事はマーケティング戦略コンサルタントの永井孝尚氏のオフィシャルサイト(2026年8月11日のエントリー)より転載させていただきました。永井孝尚氏のメルマガのご登録はこちらから。







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