原因は甘い為替レートの見積もりと無計画です。
護衛艦など取得に遅れ 防衛省の計画進捗 装備品の単価上昇 日本経済新聞

導入を打ち出した防衛装備品のうち、護衛艦や哨戒艦の建造、戦闘機の改良などの遅れが明らかになった。計画策定時と比べて、装備品の単価が上昇したことなどが影響したという。
22年の安全保障関連3文書は5年間で国内総生産(GDP)比2%に引き上げる目標を掲げ、総額43兆円の防衛費を明記した。取得単価の上昇で当初予定した防衛力を整備できない恐れがある。
艦艇のうち潜水艦は計画した5隻のうち4隻の予算を計上した。一方、護衛艦は12隻分と掲げた目標のうち8隻にとどまった。哨戒艦も全10隻のうち予算を積んだのは6隻だけだった。
まず計画時の想定対ドルレートが108円という極めて楽観的な数字でした。当時商社などは中期的な予想では150円前後を予定していました。どれだけ防衛省が世間離れしていたかわかるでしょう。現状と比較すればざっくり輸入品は1.5倍になります。例えば1機100億円の航空機を3機買う予定なら2機しか買えない。
これは輸入品だけではありません。国産装備も多く輸入のコンポーネント使用しています。当然ながらその分生産コストが上がります。さらに申せば人件費や電気代、ガス代などの加工に必要なエネルギー代も上がっています。
「F15」戦闘機の改良は54機を計画したが23年度予算に18機分の費用を組み込んで以降、計上していない。海自の「P1」哨戒機も整備計画に盛り込んだ19機の半数を割り込む9機分にとどまっている。
F-15の近代化に関して言えばこれはコストの上昇だけでなくボーイングの生産能力にも大変問題があります。さらにもうそれは後から怪しげな能力を付加しようとしたんでますますコストが上がってしまったといういきさつもあります。スタンドオフミサイル等はよくばりすぎです。中国との機数の差を考えれば対空戦闘だけでも手一杯でしょう。
米国製戦闘機の購入は計画通りだった。「F35A」は40機のうち32機分、「F35B」は25機のうち21機分と5年間の計画の5分の4だった。
しかしF35に関して言えば当初予定していた作戦能力を獲得できないし、稼働率も相当低い。
部品不足の対応も遅れている。航空機を中心に一部の装備品の部品が足りず、可動できない状態が解消できていない。防衛産業からの企業の撤退が進み、部品調達に支障がでたためとみられる。
部品の不足は海外からの部品の場合は、やはり円安の影響が多いと思います。国内に関して言えば今まで細すぎた生産ラインを太くするのがなかなか難しいからでしょう。
そして前から申し上げている通り調達数と調達期間予算を明記した計画がないためにメーカー特に下請け企業は事業計画を立てにくい。世界中でやってる調達方式ができないということは防衛省の当事者能力が低いということです。
自衛隊では航空機などの部品が足りず、他の機体向けに部品を流用する「共食い」が生じていた。政府は22年に策定した安保3文書で27年までに解消するとの目標を掲げていた。
逆に言えば岸田政権になるまでに部品の不足いや共喰い整備が恒常化していたことを全く問題にしてこなかったという当事者能力の欠如に問題があったわけです。そして問題は部品だけではありません。
各幕僚監部は稼働率に関して無関心でした。内局が東日本大震災の数年前に調査を命じるまで主要装備の稼働率の調査したことがなかった。しかもその後の東日本大震災で稼働率の低さが問題になっても、それを改善しようとしてこなかった。
防衛費を2倍にしておいて需品には金が回ってこないと言う間抜けな予算を組んでいることになります。例えば航空機の場合、整備用工具であるとか、航空機に搭載するような需品が欠如しています。部品だけ買っても稼働率が上がらないのに、頭がおかしいレベルです。
川崎重工による裏金問題元はといえば需品に金が回ってこないことが原因です。だから工具や雨合羽などを裏金で企業が用意した。ところが裏金問題ではこのような背景は全く反省されず相変わらず需品に対する予算は厳しい。消火器などにしても形があるから期限切れになっても更新されない。防弾チョッキも同様です。
今後少子高齢化の進む中過大な部隊の規模を縮小することも検討すべきですが、その気は全く無いようです。防衛研究所の高橋杉雄氏は安倍晋三のマペットよろしく、防衛費は2倍に増やせばいい、使いかたは増やしてから考えればいいと言っておりましたが、使いかたを全く考えていなかったのか、あるいは現実を無視した荒唐無稽な使いかたを考えていたということになります。

所信表明演説で防衛力の抜本的強化を訴える高市首相 首相官邸HPより
■本日の市ヶ谷の噂■
自衛隊の「10分、1時間、陸自救命ドクトリン」制定時には陸上自衛隊衛生学校研究部に選りすぐりの研究員が集められていた。だが医官の研究員の配置が無くなり久しい中、脳神経外科医の医官が研究員となり、富士学校から研究員を配置換えし、定年退官後には中国での旧日本軍化学兵器廃棄事業にスカウトされていた研究員が長となって本来のドクトリン研究が進められていた。それをことごとく潰したのが研究部長則武政彦(1等陸佐で定年退官)総括研究員、山田昭彦(3等陸佐で定年退官)の2名。則式は再就職と宴会にしか興味が無く、定年退官パーティーを東日本大震災の3月11日に計画し、咎められて別の日にさせられた。退官後は、医療法人社団「豊信会」草花クリニック訪問看護ステーション管理者。山田は青森県八戸市の防災職に就くものの、元々研究者としての素質が乏しく弾道ミサイル等への対応には素人過ぎて不評とのこと(両名の退官と再就職先については公開情報)。
旧日本軍化学兵器廃棄事業にスカウトされていた研究員は、望み適わず醬備会社の管理職に。富士学校の研究員はパワハラを受けて些細なことで3回も処分されて自衛隊幹部としての将来を失い中途退職へ、則武と山田は件の研究員が中途退職後も執拗に迫害を続け今は行方不明、との噂
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編集部より:この記事は、軍事ジャーナリスト、清谷信一氏のブログ 2026年8月13日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、清谷信一公式ブログ「清谷防衛経済研究所」をご覧ください。









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