「マンクラ」にマイホーム投機の失敗を責任転嫁する困った人たち

内藤 忍

マンションに関してSNS上で積極的に情報発信をしている「マンクラ」と呼ばれる人たちがいます。マンションクラスターを略してマンクラと総称されていますが、その情報は玉石混交で中には広告宣伝目的の発信もありすべてを鵜呑みにすると痛い目にあいます。

そんなマンクラの発言を真に受けてマイホームを買い、期待通りに価格が上がらないと見るや、彼らを逆恨みしてSNSで攻撃している困った人たちがいるようです。

昨年、湾岸タワマンの価格上昇が急激に進んだ際に、写真のような抽選の高い競争倍率をくぐり抜けドヤ顔で購入物件の自慢をしていた人たちです。

その後の金利の上昇の影響もあり、投機的な需要が一気に減退したことから需給関係が急激に悪化。購入価格よりも現状の転売価格の方が下がってしまい、数千万円の含み損を抱えているそうです。

そもそもネット上の他人の発言を鵜呑みにしてマンション購入の意思決定をしたのは契約者本人です。

思い通りにうまく値上がりしたら利益を独り占めして自分だけホクホクし、値下がりすれば他人に責任転嫁をする。なんだかなぁの世界です。

また不動産価格の動向は、1年や2年といった目先の上下で測るものではなく長期の視点で考えるのが鉄則です。

返済負担を減らすために少しでも安く買いたい気持ちはわかりますが、新築物件を高値掴みして含み損になっているからといって騒ぎ立ててもあまり意味はありません。

マイホームとして居住しながらローンを計画通り返済していけば残債は確実に減っていきます。資産価値のある物件ならいずれマンション価値がローン残債を上回り、売却益が出るようになるはずです。目先の相場変動に一喜一憂すること自体がナンセンスです。

さらに言えばマイホーム購入に最初から投機的な視点を持ち込むこと自体が大きな間違いです。

マイホームとは「投資価値」から考えるものではなく、快適に暮らすという「居住価値」を得ることが主目的です。不動産で利益を得たいのであれば、マイホームではなく投資用不動産で家賃収入や値上がり益を狙うべきです。

自分の失敗を他責にしても問題は解決しません。周囲に対するネガティブな感情によって悪い気を溜めるばかりです。

また、購入をしてしまったという過去を今更あれこれ後悔しても事実は変えることはできません。

他人と過去ではなく、自分と未来をどうするかを考える建設的な思考に早く転換すべきでしょう。


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2026年8月20日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。

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