厚労省「かかりつけ以外は紹介必須」には賛成、そのうえでワンコイン負担の議論を

厚労省が、生活保護受給者の外来受診にルールを設ける検討に入りました。年内をめどにとりまとめられる見通しです。

私はこの方向性に賛成です。そして、ここで止まってはいけないとも思っています。

一方で報道の直後から、人権侵害だという批判が上がっています。

行政が受診先を線引きするのは生存権の制約だ、重症化してから病院に来ることになる、と。

ただ、前提をひとつ整理させてください。医療扶助はもともと、生活保護法の指定を受けた指定医療機関でなければ使えません。

受診先に枠があること自体は、今に始まった話ではないのです。新設ではなく、明確化。まずはここを押さえたいと思います。

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なぜ今なのか。

医療扶助費は令和7年度当初予算で約1兆8,341億円、生活保護費全体のおよそ半分を占めます。

頻回受診や重複投薬の対策は積み重ねてきました。それでも数字はここ数年ほぼ横ばいです。

周辺の運用改善だけでは動かない構造がある、ということだと思います。

誤解のないように書いておきますが、受給者の方を責めたいのではありません。

花粉症の薬をもらうのに、A医院で効かなければB医院、それでも気になるからC耳鼻科。窓口で一円も払わないなら、この行動は誰にとっても合理的です。私が同じ立場でも、たぶん同じことをします。

責めるべきは人ではなく、そう振る舞わせる仕組みのほう。

そこで、ワンコイン負担です。

外来1回500円、月の上限は1,500円程度。そのうえで、同額を生活扶助に上乗せして支給するなどの措置も考えられます。

この6月、猪瀬直樹参院幹事長が国会で自己負担導入を求め、上野厚労大臣は「必要な受診まで抑制されるおそれ」として慎重な姿勢を示しました。

懸念はもっともですが、手元のお金が減らない設計なら、受診を我慢する理由は生じません。

それでも3回目と4回目では、自分の財布の中身が変わります。医療をタダの資源から、自分で選ぶ資源に変える。それだけです。

もっとも、制度の良し悪しは例外の作り込みで決まります。

透析、精神疾患の継続通院、指定難病、妊産婦、子ども、救急。ここを外すのは当然の前提です。受給者の8割以上が何らかの疾病で受診しており、そもそも医療の必要度が高い集団なのですから。

そして、患者側にだけルールを課して供給側を放置するなら、この改革は片肺です。

不正請求、多剤投与、社会的入院の長期化。頻回受診の背景に誘導があるケースは、本人には止めようがありません。

両側にメスを入れてこそ、公平だと思います。

課題はありますが、まずはゼロ円という設計を変えるところから。引き続き問題提起を続けていきます。


編集部より:この記事は、前参議院議員・音喜多駿氏のブログ2026年9月3日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は音喜多駿ブログをご覧ください。

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