高橋洋一氏は円安で日本人を貧困化する「売国奴」

「円安上等」の高橋洋一氏が、テレビ番組で「ベッセントの言うことを正しいという日本人は売国奴だ」と発言し、批判を呼んでいる。

円安で日本の購買力が大きく失われた

ベッセント氏は片山財務相に「円安のメリットを説教する経済アドバイザーが高市首相の周辺にいる」と批判し、円が「大幅に過小評価されている」とし、円安が日本国内のインフレ圧力に寄与していると公式に指摘した。(U.S. Department of the Treasury)

もちろんベッセント氏は米財務長官だから、日本のためを思って言っているわけではない。高市政権の「積極財政」が世界的な金利上昇の引き金になり、米国債の金利が上がることを懸念しているのだ。

高橋氏は円安のメリットを強調しているが、海外から輸入する原油やLNGなどの一次産品の輸入価格が円安で上がり、2016年以降、図のように日本は一貫して大きな交易損失(購買力が海外へ流出する金額)を出している。年間の交易損失は約20兆円で、貿易黒字1.5兆円よりはるかに大きい。

ニッセイ基礎研

日本の消費者を貧困化する「売国奴」は誰か

事実、日本政府も米国と協力して円安を止めようとしている。7月には日米が異例の協調円買い介入を実施した。ベッセント氏に賛同する人が売国奴なら、日本政府も売国奴だろう。

いまだに高橋氏は「近隣窮乏化」などという死語を使うが、国際経済はゼロサムゲームではない。極端な円安は日本人を貧困化するのだ。日本の実質実効為替レートはピークから60%下がり、1ドル360円の時代に戻った。これが貧しさの正体である。

1ドル360円の為替レートは、まだ発展途上国で輸出で外貨を稼ぐ必要があった日本にとっては都合がよかったが、今の160円は購買力平価の約100円より大幅に低く、日本の消費者は高い買い物をしている。円安は消費者から大企業への所得移転なのだ。

高橋氏も理論的根拠があって「円安上等」などと言っているわけではない。2010年代にインフレ・円安で日本経済が回復するというリフレをとなえ、それが失敗したあとも引っ込みがつかなくなって同じ話をしているだけだ。

当時リフレをとなえた浜田宏一氏も黒田東彦氏も「160円は安すぎる」と言っているのに、高橋氏は失敗を認めない。おまけにベッセントまでリフレを否定した。日本の富を海外に流出させ、消費者を貧困化する高橋氏こそ売国奴である。

 

 

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