Suica新キャラ投票、本当に1位が勝つの?:高輪ゲートウェイの記憶が再燃

JR東日本は9月8日、「Suicaのペンギン」の後継となる新たなイメージキャラクター3案を公開し、利用者による投票を開始した。

JR東日本 発表資料より

候補は、オレンジ色のリス風の「A」、紫色のうさぎ風の「B」、モグラを連れたキャラクターの「C」。9月23日まで投票を受け付け、最も得票数の多かった案を2027年4月からSuicaの新キャラクターとして採用する。結果はSuica誕生25周年の11月18日に発表される。JR東日本は今回、規約にも「最も投票数が多かったキャラクター」が新キャラクターになると明記している。

「ペンギンを返して」

ところが候補が公開されると、SNSでは早くも厳しい評価が続出した。

「これならペンギンのままでいい」「ペンギンを返して」「なぜこの3択なのか」といった反応が相次ぎ、Aについては比較的「無難」とする声がある一方、BやCの独特なデザインには戸惑う声も目立った。

一方、その後はユーザーによるファンアートも増え、「見慣れるとかわいい」「むしろ3匹とも採用してほしい」という声も出始めている。公開初日の酷評から、わずか1日で少し空気が変わった格好だ。

しかし今回、キャラクターそのものとは別の意味で人びとの記憶を刺激したものがある。

JR東日本の「公募」である。

36票で当選した「高輪ゲートウェイ」

思い出されるのが、2018年の山手線新駅の駅名公募だ。

JR東日本には計6万4052件の応募が寄せられ、1位は8398件を集めた「高輪」。2位は「芝浦」、3位は「芝浜」だった。

ところが最終的に選ばれたのは、わずか36件、順位にして130位だった「高輪ゲートウェイ」である。

当時もネット上では「何のために公募したのか」「130位を選ぶなら最初から社内で決めればいい」と批判が殺到した。

もっとも、これはJR東日本がルールを破ったわけではない。

当時の駅名募集では「最多得票を駅名にする」とは約束しておらず、寄せられた名称を参考に社内で選考するとしていた。つまり36票の「高輪ゲートウェイ」を採用しても、形式上は何の問題もなかったのである。

だからこそ余計に、「では6万人以上から募集した意味は何だったのか」という疑問が残った。

「JR東の公募に意味があると思ってる人、まだいるんだ」

今回のSuica投票でも、この一件を思い出したネットユーザーからは、「高輪ゲートウェイを忘れたのか」といった趣旨の反応が出ている。

中には、

「JR東の公募に意味があると思ってる人、まだいるんだな」

という辛辣な見方もある。

という皮肉である。

実際、今回の新キャラクターをめぐるネット上の反応にも、「高輪ゲートウェイといい……」とJR東日本の選考センスそのものを疑問視する声がみられる。

今回は本当に「最多票」が勝つ

ただし、ここは重要な違いがある。

高輪ゲートウェイ駅の公募と違い、今回のSuicaキャラクター投票ではJR東日本自身が「最も投票数が多かったキャラクターがSuica新キャラクターとなります」と明記している。

したがって今回は、Aが1位ならA、Bが1位ならB、Cが1位ならCになるはずだ。

むしろ興味深いのは、そこまで明記しなければ「本当に1位を選ぶのか」と疑われかねないほど、高輪ゲートウェイの公募が強烈な記憶として残っていることである。

25年間かけて国民的キャラクターに育ったSuicaのペンギンを卒業させ、新たな顔を利用者の投票で決めるJR東日本。

今回は「130位からの大逆転」はない。

それでも、新キャラクター選挙で最大のライバルとなっているのはAでもBでもCでもない。25年間親しまれてきたペンギンと、8年前の「高輪ゲートウェイ」というJR東日本自身の過去なのかもしれない。

 

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