焼き鳥チェーン「鳥貴族」が10月1日から、全品均一価格を390円から410円に値上げします。食べ飲み放題の「トリキ晩餐会」も3900円から4100円になります。理由は国産鶏肉や野菜などの原材料費、人件費、エネルギーコストなどの物価高です。

鳥貴族 公式サイト
2025年5月に370円から390円へ引き上げたばかりなので、約1年半で再び20円の値上げとなります。鳥貴族だけが特別なのではありません。むしろ410円で焼き鳥もビールも出そうとしている企業努力の方が驚異的です。
消費税はスーパー1%、外食10%
ところが政府は、苦境に立つ外食産業にさらに追い討ちをかけます。2027年4月から2年間、軽減税率の対象となる飲食料品の消費税率を8%から1%へ引き下げます。ただし外食は対象外なので10%のままです。
スーパーで焼き鳥を買えば1%。鳥貴族で焼き鳥を食べれば10%。現在の税率差は8%対10%の2ポイントですが、来年からは1%対10%の9ポイントになります。コロナのときのように、弁当屋が繁盛して飲食店がつぶれる冬の時代がやってきます。
飲食店を苦しくしてから「支援」
さすがに政府も問題には気づいており、外食産業に対する資金繰りなどの支援策を検討しています。まず食品を1%に減税して外食との税率差を9ポイントに拡大します。それによって飲食店が苦しくなります。そこで税金を使って飲食店を支援します。これはあからさまなマッチポンプですね。
問題は鳥貴族の20円だけではありません。居酒屋、ラーメン店、定食屋、町の喫茶店まで、飲食店は食材費、人件費、光熱費の三重苦に直面しています。そこへ政府が税制によって「内食は1%、外食は10%」という価格差まで人工的につくります。
冬の時代をもたらすのは歪んだ税制
そして客が減れば、今度は補助金を配るというのです。減税で人気を取り、外食店に損失を押しつけ、その穴埋めにも税金を使います。誰の財布から出ているのかを考えなければ、実に気前のいい政治に見えます。
鳥貴族の410円は、政府の物価高対策がどれほど倒錯しているかを映す鏡です。スーパーで買えば1%、店で食べれば10%。こんな露骨な税率差をつくっておいて「外食産業を応援します」というのは余計なお世話です。外食産業に冬の時代をもたらすのは、物価高だけではありません。







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