米下院がトランプのイラン戦争終結を求める決議:共和党から7人が造反

米下院は9月15日、トランプ大統領が議会の承認なしにイランでの軍事行動を継続することを制限する戦争権限決議を220対204で可決した。民主党議員に加え、共和党から7人が賛成に回った。

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これまで同種の決議に賛成した共和党議員は4人だっただけに、3人増えたことになる。11月3日の中間選挙まで50日を切った時期の造反は、共和党でも厭戦気分が強まっていることを示している。

「反戦」より怖いのは選挙

賛成した共和党議員はトーマス・マシー、トム・バレット、ウォーレン・デービッドソン、ブライアン・フィッツパトリックに加え、ナンシー・メイス、マリアネット・ミラー=ミークス、ザック・ナンの7人だった。

特に注目すべきは、ミラー=ミークス、ナンというアイオワ州の激戦区を抱える議員が加わったことだ。これは共和党内の思想的な反戦運動というより、選挙区事情を反映した動きと見るべきだろう。APも今回の投票を、中間選挙前では最後になる可能性のある下院のイラン戦争採決と位置づけている。

共和党議員にとって問題なのは、もはや「イランをどうするか」だけではない。長期化する戦争がガソリン価格やインフレを押し上げ、それが自分たちの選挙に跳ね返ってきたことである。

議会予算局(CBO)によれば、2月28日に始まった戦争の直接的な費用は8月1日までに380億ドルを超え、今後も毎月20億~30億ドルかかる可能性がある。さらに戦争によるエネルギー価格上昇などで、2027年に向けてインフレ率が従来予測より0.5ポイント高くなると試算している。

「数週間の戦争」が7カ月に

政治的にもっとも痛いのは、トランプ氏自身が「海外の戦争に米国を巻き込まない」ことを支持者への重要なメッセージとしてきたことだ。

ところがイラン攻撃は2月28日に始まり、すでに約7カ月が経過した。トランプ氏は当初、戦争は4~5週間程度で終わるとの見通しを示していたが、停戦は崩れ、ミサイル攻撃の応酬が続いている。戦争を終わらせる大統領だったはずが、「終わりなき戦争」を抱える大統領になりつつある。

この矛盾はMAGAにとっても厄介だ。共和党には伝統的なタカ派がいる一方、トランプ支持層には外国への軍事介入を嫌う「アメリカ・ファースト」の非介入派も少なくない。イラン戦争が長引けば、この二つを同時にまとめることは難しくなる。

トランプと一緒に沈みたくない共和党

さらに選挙情勢も悪化している。9月14日に公表されたReuters/Ipsos調査では、議会選挙で民主党に投票すると答えた人が44%、共和党が37%だった。Reutersは、戦争開始後にトランプ氏の支持が低下し、原油輸送の混乱や燃料価格上昇が家計を圧迫していると報じている。

もちろん、7人の造反だけで共和党がトランプ氏から離れたとはいえない。下院共和党の圧倒的多数は大統領を支持しており、今回の決議がそのまま戦争を止める可能性も低い。

しかし政治では、最初に動く数人が重要である。これまで共和党議員にとって、予備選でトランプ氏を敵に回すことが最大の恐怖だった。だが中間選挙が近づけば、本選挙でトランプ氏と一緒に負ける恐怖の方が大きくなる。

7人への増加は、その力学が少しずつ変わり始めた兆候かもしれない。イラン戦争は外交問題から国内の物価問題へ、そして共和党の選挙問題へと変質した。「テヘランに勝てるか」より先に、「11月3日に共和党が勝てるか」が問われ始めているのである。

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